決算寸評：中海石油化学の16年12月本決算、市況悪化で赤字転落

　中海石油化学（03983）がこのほど発表した2016年12月本決算は、売上高が前年比20.3％減の85億400万元、最終損益は前年の8億3000万元の黒字から2億1600万元の赤字に転落した。 　化学肥料を巡る市場環境が悪化する中、主力製品の尿素やリン酸肥料、メタノールの価格が大幅に下落。政府が化学肥料に対する増値税の徴収を再開したことに加え、理財商品の運用益縮小や新工場の稼働に伴う財務費の増加も響いた。部門別ではコスト減を受けてメタノールの部門利益が2.3倍に拡大したものの、尿素とリン酸肥料・複合肥料がともに赤字に転落。工場の稼働率は軒並み悪化し、尿素が前年の105.9％から87.5％に、リン酸肥料・複合肥料が98.4％から95.2％にそれぞれ低下。メタノールも97.6％から94.1％に低下した。 　販売量はリン酸肥料・複合肥料が96万5800トンと前年比5％増加したものの、尿素が3％減の201万7400トン、メタノールが2％減の150万9500トンにとどまった。一方、市場シェアは中小の淘汰が進んだことで上昇。尿素が2.97％から3.08％に上昇したほか、リン酸肥料が3.06％から3.47％に、メタノールが4.37％から4.71％にそれぞれ上昇した。 　中海石油化学の尿素、リン酸肥料・複合肥料、メタノールの販売量の推移は次の通り。 10年・・・尿素：1,984,044トン（+1.3％）/リン酸肥料・複合肥料：479,556トン（+19.4％）/メタノール：866,859トン（+8.1％） 11年・・・尿素：1,867,420トン（-5.9％）/リン酸肥料・複合肥料：430,033トン（-10.3％）/メタノール：1,492,936トン（+72.2％） 12年・・・尿素：1,880,718トン（+0.7％）/リン酸肥料・複合肥料：564,679トン（+31.3％）/メタノール：1,568,567トン（+5.1％） 13年・・・尿素：2,033,183トン（+8.1％）/リン酸肥料・複合肥料：798,090トン（+41.3％）/メタノール：1,548,891トン（-1.3％） 14年・・・尿素：1,955,571トン（-3.8％）/リン酸肥料・複合肥料：993,230トン（+24.5％）/メタノール：1,472,630トン（-4.9％） 15年・・・尿素：2,083,067トン（+6.5％）/リン酸肥料・複合肥料：918,162トン（-7.6％）/メタノール：1,538,635トン（+4.5％） 16年・・・尿素：2,017,404トン（-3.2％）/リン酸肥料・複合肥料：965,805トン（+5.2％）/メタノール：1,509,510トン（-1.9％）