中間レート計算モデル、「逆周期因子」追加は市場化からの逸脱=ロイター

2017/05/29(月) 16:26
 中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対米ドル取引の基準となる中間レートの算出方法を見直すことについて、ロイター通信は27日、基準値設定に対する当局の発言権を強める動きであり、政策目標として掲げる「市場化」からの逸脱との見方を伝えた。当局の裁量を拡大するだけでは中間レートを望ましい水準に誘導することは難しく、むしろ為替レートのフレキシビリティを高めることが相場安定につながるとした。  人民銀傘下の中国外貨取引センター(CFETS)は26日、中間レート計算モデルに「逆周期因子」を追加する方針を明らかにした。現在、計算モデルの要素となっているのは前日終値(現地時間午後4時半)と、翌日の朝までの通貨バスケットの変動値の2項目で、外為取引を手掛ける商業銀行がそれぞれ算出して人民銀に報告している。新たな項目を付け加えることで、非合理的な付和雷同の元売りによる元相場の急落を抑えることができる。  ロイターは、通貨需要と当局の姿勢、外部環境が外為相場の3大要素だと規定。最近は投機筋が市場からほぼ撤退し、通貨需要のほとんどを当局の姿勢や外部環境に左右されにくい貿易決済の実需が占めるとの見方を示した。実需が大きければ、中国当局が「逆周期因子」を操作しても、市場での効果は限定的となる。  また、中国の外為市場では主に大手商業銀行が米ドルを供給しているが、米ドル流動性が不足する場面では人民元相場を高めに誘導することは難しいと指摘。5月中旬以降に市場レートが中間レートを大きく下回る水準で推移した際には、中国の5大商業銀行が25-26日に大規模な米ドル売りを行い、ようやく両レートの差が縮小した経緯があるとした。  ロイターは、中期的な外為市場の改善策として、取引参加者を増やし、各方面から需要を呼び込むと同時に、流動性供給を中国の大手商業銀行だけに頼る状況を解消すべきだと主張。為替変動の許容幅を広げることで市場予想も分散し、結果としてリスクが低下するとした。一方で、今回の中間レート計算方法の見直しは為替相場の安定に向けた小さな一歩に過ぎず、過大な期待は禁物だとした。
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