決算寸評：中国アルミの17年6月中間決算、市況改善で大幅増益

　中国アルミ（02600）がこのほど発表した2017年6月中間決算は、売上高が前年同期比82.8％増の913億1100万元、純利益が同1006.1％増の7億5100万元となり、純利益は直前のファクトセットのコンセンサス予想（7億7100万元）を若干下回った。中間配当は見送る方針。 　大幅増益の主因はアルミ市況の改善。原燃料価格の上昇で粗利益率は1.2ポイント低下したものの、販売量の増加や製品価格の上昇で大幅増益を達成した。部門別ではアルミナの部門損益が販売量の増加と販売価格の上昇を受けて前年同期の1億9800万元の赤字から17億900万元の黒字に転換。一方、アルミ地金の部門利益は原燃料価格の上昇や前年同期に計上した資産売却益の剥落で95％減と大幅に落ち込んだ。エネルギー部門は石炭事業の好調で売上高は31％増加したが、前年同期に計上した固定資産売却益の反動で部門利益は75％減少した。 　中国政府が推進する供給側構造改革の影響で需給が引き締まり、業界を取り巻く環境は大幅に改善。ただ、足元で電力価格の上昇による製造コストの増加が今後のリスク要因として浮上している。会社側はコスト削減の徹底で経営効率のさらなる向上を目指す方針を示している。