決算寸評：中外運航運の17年12月本決算、市況改善と減損剥落で黒字転換

　中外運航運（00368）がこのほど発表した2017年12月本決算は、売上高が前年比19.6％増の10億600万米ドル、純損益が前年は2億3000万米ドルの赤字から3200万米ドルの黒字に転換した。期末配当は1株当たり0.03HKドル（前年は1株当たり0.04HKドル）を予定している。 　世界経済の回復に伴って海運市況が大幅に改善。前年に計上したバルク船に対する1億6300万米ドルに上る減損損失の剥落も黒字転換に寄与した。部門別ではバルク船の貨物取扱量が1％増にとどまったものの、運賃上昇で海上運賃収入が33％増加。部門損益は2億3800万米ドルの赤字から3700万米ドルの黒字に転換した。コンテナ船もアジア地域の好調で取扱量が14％増加。部門利益は39％増と拡大した。 　会社側は18年の業況に対してやや慎重な見方。バルク船事業では、商品市況の回復や国家戦略である「一帯一路」の推進が追い風になると予想。一方で新造船投入による船舶供給の増加が懸念材料としている。コンテナ船事業では、アジア経済の拡大を背景に運賃相場も安定した上昇を見込む。 　中外運航運のバルク貨物とコンテナの取扱量の推移は次の通り。 15年・・・バルク貨物：4,236万トン（―）/コンテナ：857,000TEU（―） 16年・・・バルク貨物：4,132万トン（-2.5％）/コンテナ：879,000TEU（+2.6％） 17年・・・バルク貨物：4,170万トン（+0.9％）/コンテナ：1,006,000TEU（+14.4％）