明日の戦略-円安好感し一時2万円回復、来週は材料難もドル円には変化の兆し

2017/06/16(金) 16:57
 16日の日経平均は5日ぶりに反発。円安を好感し買い優勢の局面が続いた。日銀の金融政策が現状維持と市場の想定通りの結果だったことから発表直後の反応は限定的だったが、ネガティブな結果に備えた売り方の買い戻しなどで一時は2万円を超える場面も見られた。ソフトバンクGが高値圏を維持して取引を終えたほか、メガバンクや機械株が堅調。半面、良品計画やニトリHDなど値がさの小売り株が利益確定売りに押され、森永菓やアスクルも安い。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1237/値下がり652と買いが優勢。証券会社のレポートを材料に日本郵船や商船三井など海運株が上昇。タカタの民事再生観測が報じられる中、エアバッグ代替需要への期待から芦森工業が大幅高。子会社が仮想通貨「イーサリアム」の取り扱いを開始すると発表したリミックスポイントが商いを集めて急伸し、ブロックチェーン技術開発会社との業務提携を発表したネクストウェアはストップ高まで買われた。一方、ベインキャピタルによる保有株売却を発表したすかいらーくが大幅安。除染費用不正取得の疑義に関する調査報告の延期を発表した安藤ハザマや、今期見通しが大幅な減収、営業減益の見込みとなったヤマノHDが弱い動きとなった。上場2日目で初値をつけたビーブレイクはその後も上値を伸ばす強い動きを見せた。  FOMC後のドル円の動きは鈍かったが、昨晩発表された米指標を受けて円安が進み、きょうの東京時間では111円台に乗せた。足元でドル円の25日線が110円97銭近辺に位置しており、それを上回る動きとなっている。直近では、4月後半から5月中旬にかけて25日線より上で推移していたが、この間は日経平均も歩調を合わせて強い動きが続いた。25日線自体は下向きで、まだトレンドが変わったとは言い切れないが、もう一段の円安が進むようなら、為替が株高を誘因する展開も期待できる。今週はFOMCという大きなイベントがあった割には円安が進まなかったが、それでもテクニカル的には変化の兆しがうかがえた。 【来週の見通し】  もみ合いか。FOMCで大きな波乱がなかったことから、これまで同様に底堅い展開は期待できる一方、米ハイテク株の調整が一段と進むようだと上値を抑える要因となる。国内指標では5月貿易統計や5月訪日外客数など、米国指標では1-3月期経常収支や5月中古住宅販売件数、5月新築住宅販売件数などが注目されるが、日米の中央銀行イベントを通過して、やや材料難の週となる。そのため、日経平均は節目の2万円を意識しつつも、上では戻り売りに押され、下では押し目買いが入り、レンジ圏での推移が続くと予想する。 【今週を振り返る】  方向感に乏しい展開となった。米国でアップルやアマゾンなど主力ハイテク株が軒並み大きく売られる場面があったことから、週前半は売りが優勢。FOMCを前に様子見姿勢も強まる中、円強含みへの警戒もあり、軟調な展開が続いた。FOMCでは追加利上げが実施されたが、声明文やイエレンFRB議長の発言内容はほぼ市場の想定線で、マーケットへの影響は限定的。後半にかけては良好な米経済指標を受けてドル円が円安に振れたことから市場心理が改善。日銀の金融政策は大方の予想通り現状維持となったが、イベント通過による買い戻しが続き値を戻した。日経平均は週間では約70円の下落となったものの、週足では陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、5月貿易統計(6/19)、4月26・27日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、4月全産業活動指数、5月訪日外客数(6/21)、東京都議会議員選挙告示(7/2投開票)(6/23)などがある。  決算発表は、ツルハHD、アークランド(6/20)、オプトエレクト(6/22)、サツドラHD(6/23)が発表を予定している。  海外では、仏国民議会選挙第2回投票(6/18)、米1-3月期経常収支(6/20)、米5月中古住宅販売件数(6/21)、EU首脳会議(~6/23)、ECB拡大理事会、米4月FHFA住宅価格指数、米5月CB景気先行総合指数(6/22)、米5月新築住宅販売件数(6/23)などが注目される。  米企業決算は、アドビ・システムズ、レッド・ハット(6/20)、フェデックス、オラクル(6/21)、アクセンチュア(6/22)などが発表を予定している。
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