明日の戦略-来週は後半に動意の公算、75日線で値固めしさらに一段高なるか

2017/09/15(金) 16:16
 15日の日経平均は反発。序盤は北朝鮮によるミサイル発射で地政学リスクの緊迫化が意識されたが、売り一巡後には押し目買いが優勢となった。午後に入っても上げ幅を徐々に拡大し、終値で8月8日以来となる19900円台を回復。業種別では、ガラス・土石や証券、鉱業、精密機器、機械などが上昇した一方、電気・ガス、陸運、鉄鋼などが軟調に推移。規模別では小型株指数の上昇が目立った。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1363/値下がり562と買いが優勢。売買代金は概算で2兆8921億円と大引け間際に大幅に増加した。米国市場はまちまちだったが、ドル円相場の底堅い動きを背景に前場からプラス圏で推移した。北朝鮮からのミサイル発射による挑発行為は前日の日本を威嚇する声明である程度は織り込んでいた、との見方が強気に傾けた。後場は三連休を控えていたものの、下げない地合いが先物の買い戻しを誘い、現物市場では証券・ノンバンク・精密機器セクターなどが浮上した。  売買代金上位の個別では、東京エレクやアステラス製薬、ダイキン工などの上昇が目立ったほか、防衛関連では引き続き石川製作所が活況。材料が出たところでは、量子コンピューター関連としてフィックスターズに物色が向かった。通期営業利益を上方修正したオハラが大幅高となったほか、証券会社が目標株価を引き上げたヤーマンが商い増加をともなって上値を伸ばした。一方、中国での訪日団体旅行制限の報道などから、資生堂やコーセーが大幅安となったほか、良品計画やドンキホーテHDなどが軟調。通期業績の据え置きが嫌気された栄研化学が急落したほか、有機EL関連で前日ストップ高となったダイニックが大幅に反落した。 【来週の見通し】  週後半に動意か。週前半は9/19-9/20に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちで様子見姿勢になりやすく、売りに押される場面がありそうだ。FOMCの結果が判明するのは日本時間で9/21の早朝となり、週後半は動意が強まる可能性もある。  FOMCでは米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小を10月に開始することを決定する見込み。一方、年内(12月?)の利上げに関しては、最近の低インフレなどを理由に市場の織り込み度合いは決して大きくない。ただ、米主要指数が史上最高値を更新するなど、数週間前に比べると米政局リスクや地政学リスクはやや緩和されている状態にある。9/14に発表された米8月消費者物価指数(CPI)は前月比で+0.4%と7カ月ぶりの大きさとなった。足元の米長期金利の上昇が年内の利上げを織り込みに入っている動きであれば、ややタカ派的な内容にならないとも限らない。  米長期金利の上昇や円安への戻りの追い風になるような内容の場合は、米国株の反応にもよるが日経平均株価の2万円突破のきっかけになるとみられる。  また、FOMC直後に発表される米9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米8月CB景気先行総合指数(9/21)などの結果も重要で、FOMCでの内容を裏付ける結果になるかどうかも注目ポイントとなる。  いずれにしても、ポイントになるのは週後半であり、少なくともFOMCを波乱なく通過できれば、9月末の中間配当取りの買いが入りやすいことや、翌週に発生する年金資金などのTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口資金による配当再投資を期待し、先回り買いが入る可能性はあるだろう。  日経平均株価のテクニカル面では、200日線(19,443円 9/15)前後で値固めのあと、急反発の展開となっている。次は横ばいで推移している75日線(19,868円 同))前後で値固めしながら、さらに一段高となるかが注目される。一方、今年の累積売買代金が最も積み上がっている19,900円~20,100円の価格帯(推計78兆円)が上値抵抗となり、短期的には調整に入る懸念も強い。ただ、そのケースでも25日線(19,547円 同)が次第に上昇基調になっていく可能性が高く、同線をサポートに9/8安値(19,239円)に対する二番底を形成する展開が予想される。 【来週の予定】  国内では、日銀金融政策決定会合(~9/21)、8月貿易統計、8月訪日外客数(9/20)、黒田日銀総裁会見、7月全産業活動指数、東京ゲームショウ2017(~9/24)(9/21)がある。  決算発表は、ツルハHD、アークランド(9/19)、クスリのアオキ(9/20)などが予定している。  海外では、米9月NAHB住宅市場指数(9/18)、独9月ZEW景況感指数、FOMC(~9/20)、米8月住宅着工・許可件数、米4-6月期経常収支、米8月輸出入物価(9/19)、イエレンFRB議長会見(景気見通し改定)、米8月中古住宅販売件数(9/20)、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米7月FHFA住宅価格指数、米8月CB景気先行総合指数(9/21)などが注目される。  米企業決算は、フェデックス、アビドシステムズ(9/20)、カーマックス(9/22)などが発表を予定している。
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