明日の戦略-日経平均は1996年12月以来の高値、為替を注視も上昇トレンドは続くか

2017/10/11(水) 16:26
 11日の日経平均は7日続伸。売り先行も下値は固く、もみ合いの後にプラス転換してからは上げ幅拡大の展開。後場は20800円台での小動きが続いたが、引けにかけて買いが入り、終値ベースで2015年6月24日の高値20868円を上回った。1996年12月以来、20年10カ月ぶりの高値となる。東証1部の売買代金は概算で2兆3700億円。業種別では保険、非鉄金属、その他製品などが買われた一方、鉄鋼、倉庫・運輸、輸送用機器などが軟調となった。上方修正を発表したツインバード工業が後場急伸。反面、3Q営業減益のOSGが大幅安となり、終日軟調に推移した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり879/値下がり1045と日経平均は上昇したものの売りが優勢。上方修正を発表したローツェが大幅上昇。増配が好感されたコーナン商事やイズミも強い動きを見せた。今期の大幅増益計画が買い手がかりとなったミクロン精密はストップ高。直近上場株に派手な動きが見られる中、テックポイントがストップ高まで買われた。一方、地政学リスクへの警戒が和らぐ中、石川製作所や豊和工業など防衛関連銘柄は売りが優勢の展開。下方修正発表のサンリオやSHO-BIが大幅安となった。神戸鋼は大幅安で寄った後も上値の重い展開。前期の利益上振れで「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を解消したANAPは大きく水準を切り上げて始まったものの、売りに押されて大幅安と荒い動きとなった。  日経平均は終値ベースで2015年6月24日につけた20868円を上回り、20年10カ月ぶりの高値をつけた。同日のザラ場高値20952円には届かなかったが、重要な節目の一つをクリアした。商いはそれほど膨らまず、値下がり銘柄も多い。しかし、きのうに続いて日足では陽線を形成しており、指数の動きは非常に強い。今晩米国では、9月開催のFOMC議事録が公表される。この時の会合で、多くのメンバーが年内あと1回の利上げに前向きと判明したことが、米長期金利の上昇とドル高・円安を促した。足元では円安にブレーキがかかっているが、この流れが修正され、円安基調が維持されるかが注目される。ただ今は為替離れの動きも見られており、極端に円高に振れなければ、日本株の上昇基調は続く可能性が高い。ドル円が小動きなら堅調な地合いが継続し、円安進行なら20952円を上回り、21000円台に乗せる展開を予想する。このあたりではいったん到達感が出てくる可能性はあるが、20年ぶりの高値をつけるという事象は、そうそう発生するものではない。ここからは押し目があれば買いで向かうのが有効な戦略と考える。
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