明日の戦略-日経平均は9連騰で10月負けなし、上値追いの流れが続くか

2017/10/13(金) 16:31
 13日の日経平均は9日続伸。序盤は前日終値近辺でもみ合ったが、上げ幅を拡大して前場で心理的節目の21000円台に到達。後場に入ると買いが買いを呼んで上げ幅を拡大し、200円超の上昇を記録してきょうの高値圏で終えた。SQで売買も膨らみ、東証1部の売買代金は概算で3兆2800億円。業種別では空運、小売、その他金融などが買われた一方、繊維、サービス、保険などが軟調となった。SUMCOが商いを伴って大幅上昇。ソフトバンクGは後場に1万円の大台に乗せる場面があった。反面、上期決算が失望を誘ったセントラル警備保障は売りが止まらず長い陰線を形成した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1206/値下がり723と買いが優勢。決算が好感されたファストリやセブン&アイが大幅高。証券会社が投資判断を引き上げた花王に買いが入った。松屋やIDOMなどが決算を受けて急伸し、大幅上方修正発表のDDHDがストップ高まで買われた。一方、鉄鋼製品でもデータ改ざんがあったと報じられた神戸製鋼所が大幅安。イワキやジンズ、明光ネットなどが決算を材料に大きく売られた。1Qが営業赤字に転落したシンワアートには売りが殺到し、ストップ安で終えた。  業種別の騰落で見ると、先週は騰落率上位が上から空運、建設、陸運、サービス、その他金融で、下位は下から鉄鋼、保険、鉱業、石油・石炭、銀行となった。最下位の鉄鋼は神戸製鋼所の急落の影響が大きい。上位セクターには内需系セクターが多い。先週は、為替に関しては円安一服感が強まっており、当面は大型株を中心に、内需系セクターの選好が強まると予想する。中でも陸運セクターは夏場に調整を入れて9月以降に値固めが進んだ銘柄が多く、ここからの上昇余地は大きいと考える。 【来週の見通し】  堅調か。日経平均は11日に20年10カ月ぶりの高値をつけ、きょう13日には2万1000円台に到達した。注目の節目を抜けてきたことで、投資家心理の一段の改善が期待できる。大きな流れとしては、月後半の3月決算企業の上期業績発表への期待感が下支え要因となる中、観測報道など業績関連のリリースを手がかりに、個別物色が旺盛になると予想する。株高で投資家のリスク許容度が高まる中、出遅れセクターが物色され、全体の底上げが進む展開も期待できる。米国では一足先に決算発表が本格化するが、良好な内容が多く確認できれば、グローバル市場でリスク・オンムードが強まる展開も想定される。国内では22日が衆議院選挙の投開票日となるが、各種メディアでは与党の優勢が報じられている。政権安定への期待もマーケットにはポジティブに作用し、総じて下げづらい地合いが続くと予想する。 【今週を振り返る】  強い動きとなった。10日近辺で警戒された北朝鮮の軍事行動がなく、海外市場もおおむね堅調な動きが続いたことから、前週の強い流れが継続した。大型株が上昇をけん引する中、日経平均は連日で年初来高値を更新する展開。11日には約21年ぶりの高値をつけ、先高期待が一段と高まった。その後も衆議院選挙の序盤の情勢で与党優位が伝わるなど、株高を後押しする材料が出てきたことから、買いの勢いは緩まず。13日には大幅高で21000円台を回復した。日経平均は今週も負けなしで9日続伸。週間では約464円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、9月首都圏新規マンション発売(16日)、20年国債入札(17日)、9月訪日外客数(18日)、9月貿易統計、8月全産業活動指数、5年国債入札(19日)などがある。  決算発表は、スーパーツール、鉄人化、アクサスHD、アクロディア、市進HD、アサヒ陶、JMACS、メタップス、山陽百、東宝(16日)、安川情報(17日)、DNAチップ(19日)、モーニングスタ、モバファク、アルインコ、リコーリース、光世証、サーティワン、ベクター、ゲンキー、アジュバン、東製鉄、日鋳造、エンプラス、東邦レマック、ジャフコ、KOA(20日)などが予定している。  海外では、中国9月消費者物価、中国9月生産者物価、米10月NY連銀製造業景気指数、日米経済対話(16日)、独10月ZEW景況感指数、米9月輸出入物価、米9月鉱工業生産、米9月設備稼働率、米10月NAHB住宅市場指数(17日)、中国共産党第19回全国代表大会、米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数、ベージュブック(18日)、中国7-9月期GDP、中国9月小売売上高、中国9月都市部固定資産投資、中国9月鉱工業生産、EU首脳会議(~10/20)、米10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米9月CB景気先行総合指数、米30年インフレ連動国債入札(19日)、APEC財務大臣会合(~10/21)、米9月中古住宅販売件数(20日)などが注目される。  米企業決算は、ネットフリックス、チャールズ・シュワブ(16日)、IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソン、WWグレンジャー、ユナイテッドヘルス・グループ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス(17日)、イーベイ、M&Tバンク、ノーザン・トラスト、USバンコープ、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス、アメリカン・エキスプレス(18日)、BB&T、ベライゾン・コミュニケーションズ、ペイパル・ホールディングス、トラベラーズ・カンパニーズ、ニューコア、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、インテューイティブ・サージカル、イー・トレード・ファイナンシャル(19日)、ゼネラル・エレクトリック、プロクター・アンド・ギャンブル、シュルンベルジェ、アメリカン航空グループ、シンクロニー・ファイナンシャル、パーカー・ハネフィン(20日)などが発表を予定している。
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