明日の戦略-波乱続きの一週間、来週は落ち着きどころを探る展開か

2017/11/17(金) 17:03
 17日の日経平均は続伸。買い先行から一時は400円超の上昇を見せたものの、高値警戒感から急失速。後場に入ると上げ幅を一段と縮め、マイナス圏に沈む場面もあった。しかし、下げに転じたところではすぐに買いが入ったことから大きくは崩れず、その後は小幅高での時間帯が長く続いた。引けにかけてはやや値を戻す動きも見られた。東証1部の売買代金は概算で3兆5200億円。業種別ではゴム製品や金属製品、保険などが買われ、パルプ・紙、電気・ガス、海運などが売られた。証券会社のリポートを手がかりにテイクアンドギヴ・ニーズが大幅高。反面、日本マイクロニクスはリポートが売り材料となって急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1005/値下がり950と買いが優勢。上方修正と増配が好感された東京ドームが大幅高。配当実施に続き優待新設と連日で好材料を出してきたKLabが買いを集めた。東京海上は下方修正発表も自己株取得が好感されて決算発表後に一段高。月次好調のアニコムHDが急伸した。一方、証券会社の投資評価引き下げが嫌気されたツムラが大幅安。日立化成やキリンHDなどもリポートを受けて売りが優勢となった。ほか、公募増資を発表したラサ商事が急落した。  今週の日経平均は、300円超の値幅が3営業日(上昇1回、下落2回)もあった荒れ相場。ただ、動きが大きかったぶん、決算一巡で材料難となる中でも売買代金は高水準を維持した。週間では下落となったが、25日線をサポートに切り返し、5日線を上回るなどテクニカル面ではポジティブな動きも見られた。10月には16日続伸と記録的な動きもあったが、上げ続きだと乗り遅れた投資家は参戦しづらい。上昇一服となった後には6日続落と、下げもそれなりに大きくなったことから、強気派、弱気派双方にとって、マーケットが「おもしろい」局面に入っている。今週は売買代金が萎まないかどうかが一つの注目点とみていたが、今週の動きをみると、ここから売買が厚みを増す展開にも期待が持てる。この点は非常にポジティブな材料と考える。 【来週の見通し】  堅調か。23日が祝日で4日立ち会い。同日は米国も感謝祭で休場となる。決算も一巡し、国内は材料が少ない。閑散相場となりやすいタイミングではあるが、今週の日経平均が乱高下の展開となったことから、引き続き落ち着きどころを探る売買が活況になると考える。今週、前半安、後半高となったことや、下げ局面では日銀のETF買い期待が下支え材料となることから押し目買いは入りやすく、そのぶんしっかりの地合いになると予想する。米国では年末商戦が意識されるが、株高基調が続き、経済指標もおおむね良好であることから、年末商戦も好調が見込まれる。商戦期待から世界的にも下げづらい展開が想定され、日本株も底固めから戻りを試す展開を予想する。 【今週を振り返る】  荒い動きとなった。日経平均は前週9日の乱高下で天井感が意識され、前半は下げ基調が続いた。後場に入って弱い動きが出てくることも多く、押し目でもなかなか買いが入らなかった。この間、欧米株やアジア株も上値が重くなったことから世界株安への警戒も強まり、今年初の6日続落を記録した。一方、節目の22000円を割り込んだところでは強い買いが入ったことから、底打ち感も意識された。その後、欧米株の上昇を受けて戻りを強める場面もあったが、そこでは戻り売りに押され、週間ベースで10週ぶりの下落となった。日経平均は週間では約284円の下落、週足では7週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、10月貿易統計(11/20)、9月全産業活動指数(11/21)などがある。  海外では、米10月CB景気先行総合指数(11/20)、米10月シカゴ連銀全米活動指数、米10月中古住宅販売件数(11/21)、米10月耐久財受注、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数、10/31・11/1開催のFOMC議事録(11/22)、米ブラックフライデー、独11月Ifo景況感指数(11/24)などが注目される。  米企業決算は、ロウズ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、セールスフォース・ドットコム(11/21)などが発表を予定している。  なお、11/23の米国市場は感謝祭のため休場となる。
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