明日の戦略-ハイテク崩れても週間上昇、リスク・オンムードは継続か

2017/12/01(金) 16:52
 1日の日経平均は3日続伸。米国株の大幅高や円安進行を好感して買いが先行したが、23000円を目前にして急失速し、マイナス圏に沈んだ。しかし後場に入ると再びプラス圏に浮上。売りをこなして持ち直したことから、その後はじり高基調が続き、22800円台に乗せて終えた。東証1部の売買代金は概算で3兆0100億円。業種別では石油・石炭、鉱業、機械などが上昇した一方、非鉄金属、水産・農林、パルプ・紙などが下落した。コマツや日立建機など建機株が後場に入って一段高。反面、下方修正が嫌気された神島化学工業は売りが殺到し、ストップ安比例配分となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1002/値下がり940と買いが優勢。東証一部への復帰を発表したシャープが大幅上昇。日本ペイントは米国企業の買収検討中止が好感されて買いを集めた。月次好調のロコンドが値を飛ばし、「ポケモンカフェ」のプロデュース業務の受託を発表したSLDはストップ高まで買われた。一方、工場火災が発生した荒川化学が大幅安。証券会社が投資判断を引き下げたオープンハウスや、下方修正を発表したセガサミーが軟調となった。福証から東証二部に上場して以降、連日で騰勢を強めていた正興電機製作所は、一転売りが優勢となり急落。上場3日目で値がついたトレードワークスの初値は公開価格比6.2倍。初値形成後は乱高下しながらも高値引けと非常に強い動きを見せた。  今週、東京エレクトロンや安川電機などに大きく売られる動きが見られたにもかかわらず、日経平均が大幅安どころか上昇で終えたのは驚きの動き。11月9日に乱高下し、6日続落で上昇一服が鮮明となり、方向感に乏しい地合いが続いていたところに、ここまでの株高のけん引役が崩れれば、売りが売りを呼ぶ展開となっても不思議ではない。しかしそうはならず、今年ほとんどいいところなしの銀行株が急伸して指数の上昇に寄与した。ここから一気に11月9日の高値23382円を抜くことができるに関しては、ハイテク株に再び強い動きが戻ってくるか、大型の合併・再編といったサプライズニュースなど、何らかの強い材料がほしいところ。しかし、弱材料に対しては相当耐性がついており、軟調相場が長期化する場面は少なくなると考える。来週は終値ベースの年初来高値22937円(11/7)を更新できるかに注目しておきたい。 【来週の見通し】  堅調か。スケジュール的には12日~13日のFOMCを前に動きづらい地合いが想定される。週末に米雇用統計やメジャーSQを控えていることも様子見姿勢を強める材料となりやすい。ただし、今週日米の株式市場で強い動きが見られたことから、イベント前の利益確定売りが手控えられる可能性が高く、そのぶんしっかりの展開を予想する。FOMCに関しては利上げはほぼ織り込み済みで、今回は波乱も少ないと想定されるため、米国株も過度に警戒を強めるような動きにはなりづらいと考える。今週、銀行株など内需銘柄にも強い動きが見られたことから、物色の幅も広がると期待でき、リスク・オンムードが継続すると予想する。 【今週を振り返る】  堅調な展開となった。週前半は上値の重い展開。特に場中の動きが鈍かったが、下値では下げ渋る動きも見られたことから、日経平均は22500円近辺で一進一退が続いた。しかし、米国株が税制改革期待などから騰勢を強める展開。ハイテク株の下落や北朝鮮のミサイル発射といったネガティブ材料をものともせず、ダウ平均の高値更新が続いたことから、日本株も徐々に買いの勢いを強めた。国内でもハイテク株を中心に、これまで値持ちの良かった銘柄の多くが大きく売られたものの、メガバンクなど金融株が上昇のけん引役となったことで、外需から内需への循環物色が進んだ。その後、米国のハイテク株も持ち直し、為替市場では円安も進んだことから週末にかけては一段高となり、節目の23000円に迫る場面もあった。日経平均は週間では約268円の上昇、週足では2週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、11月マネタリーベース、11月消費動向調査(12/4)、10年国債入札(12/5)、11月都心オフィス空室率、10月景気動向指数、国内最大級の環境関連見本市「エコプロ2017~環境とエネルギーの未来展」(~12/9)(12/7)、7-9月期GDP改定値、10月毎月勤労統計調査、11月景気ウォッチャー調査、メジャーSQ(12/8)がなどがある。  決算発表は、ピジョン、モロゾフ、アマガサ、ティーライフ(12/4)、不二電機、ナ・デックス、アインHD(12/5)、日駐、共和工業、楽天地、きんえい(12/6)、アルトナー、巴工業、トップカルチャ、スバル興(12/7)、エイチ・アイエス、カナモト、三井ハイテ、積水ハウス、学情、アスカネット、テンポスHD、鳥貴族、モルフォ、ポールHD、エイチーム、ソフトウェアサー、gumi、イトクロ、アイモバイル、丹青社(12/8)などが予定している。  海外では、米10月貿易収支、米11月ISM非製造業景況指数(12/5)、米11月ADP雇用統計(12/6)、米10月消費者信用残高(12/7)、中国11月貿易収支、米11月雇用統計(12/8)などが注目される。  米企業決算は、オートゾーン(12/5)、ブロードコム、H&Rブロック(12/6)、ダラー・ゼネラル(12/7)などが発表を予定している。
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