明日の戦略-3日続伸も陰線を形成、24000円を巡る攻防に注目

2018/01/09(火) 16:17
 9日の日経平均は3日続伸。良好な外部環境を好感して23900円台からのスタートとなったが、節目の24000円には届かず上げ幅を縮めた。ただ、前場で比較的値を保ったことから、後場は前場の高安の範囲内での小動き。後場寄り直後が後場の安値となり、3桁上昇を維持しながら、引けまで堅調な推移となった。東証1部の売買代金は概算で3兆1100億円と3営業日連続での3兆円を超えた。業種別では不動産、電気機器、証券・商品先物などが買われた一方、鉱業、石油・石炭、パルプ・紙などが軟調となった。昨年来の高値を更新したソニーが後場に入って一段高。反面、グローバルLMやヴィスコなど直近上場株の一角が大きく売られた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1185/値下がり795と買いが優勢。三井不動産や住友不動産など、不動産株に見直し買いが入った。共通ポイント事業を実店舗に広げるとの報道が好感されたLINEが大幅高。証券会社のリポートを材料に跳ねた銘柄も多く、河合楽器やオールアバウト、ロックフィールドなどが急伸した。カルナバイオは国内での特許成立に関するリリースを受けてストップ高まで買われた。一方、3Q決算が失望を誘った薬王堂が大幅安。ラクト・ジャパンは上方修正発表も、株価の反応は売りとなった。韓国と北朝鮮の会談実施で地政学リスクが一段と和らぐ中、石川製作所や豊和工業など防衛関連には売りが続いた。  日経平均は24000円に迫ったものの届かず。ただ、萎む中でも大きくは崩れなかったことから、マザーズやジャスダックなど新興市場にホットな資金が向かった。この先、24000円を前にもたつく動きが続いた場合には、新興市場を中心に中小型株の選好が強まる可能性がある。ただ、きょう大きく動いた銘柄を見ると、材料に対する買いの反応が強すぎる印象がある。リスク・オンの地合いの割に材料が少ない分、動意付いた銘柄の値幅は出やすくなるが、急伸後の買いが続かない可能性はあり、乱高下には注意したい。  きょう強い動きが見られた不動産株は、昨年の動きが鈍かったセクターの一つ。この辺りが買われる地合いとなるなら、昨年の業種別騰落がワーストの電力・ガスセクターなども物色される可能性がある。一方、日経平均が難なく24000円突破となるなら、出遅れセクターよりも、きょう昨年来高値を更新したソニーのような、業績期待の高い銘柄への注目度が高まると考える。きょうは3日続伸ではあったものの、日足では陰線を形成した。先月、23000円をなかなか超えられず、もどかしい時間帯が続いたことはまだ記憶に新しく、24000円が抵抗となるか否かで、物色動向には大きな変化が出てくる可能性がある。節目を巡る攻防に注目したい。
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