明日の戦略-反落も下げ渋り陽線を形成、業績期待を支えにあすは底堅い展開か

2018/01/17(水) 16:32
 17日の日経平均は3日ぶり反落。米国株安を嫌気して軟調な展開。ただし、大きく水準を切り下げて始まった分、寄り付き以降の売り圧力は限定的で下げ渋った。後場は、今晩の米国株の動向を見極めたいとの見方からこう着感が強まったものの、為替が円安方向に振れたこともあり、じりじりと下げ幅を縮めた。東証1部の売買代金は概算で2兆9300億円。業種別では機械、食料品、陸運などが上昇しており、石油・石炭、鉄鋼、鉱業などが下落している。値がさ株の筆頭格であるキーエンスやSMCなどが強い動きとなり、ともに昨年来高値を更新した。反面、きのう強い動きを見せたファナックやファーストリテイリングは売りが優勢となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり620/値下がり1381と売りが優勢。業績好調観測が報じられたディスコが大幅上昇。証券会社が目標株価を引き上げたTDKが大幅高となり、ベクトルやミロク情報などもリポートを手がかりに急伸した。ヨシムラフードやフィルカンパニーには決算を好感した買いが続いた。一方、ビットコインの急落を受けて、セレスやGMOインターネット、SBIなど仮想通貨関連が軒並み値を崩す展開。証券会社が投資判断を引き下げた東京製鉄が大きく売られた。ほか、原油価格の下落が嫌気されて、出光興産やコスモエネルギーなどが大幅安となった。  きょうは終日さえない展開ではあったが、日経平均は安く寄って下げ幅を縮めており、陽線を形成して終えた。昨晩の米国株に関しては、ダウ平均は大幅高で26000ドル台に到達したところから失速し、小幅に下げて終えたという動きで、大幅安となったわけではない。そのため、仮に今晩の米国株が下げたとしても、落ち着いた動きであれば、過度にネガティブに捉える必要はない。ドル円も円高は一服傾向にある。今晩米国では、12月鉱工業生産指数やベージュブックの公表が予定されている。現状では、良好な米国のファンダメンタルズが確認できたとしても、ドル高・円安が大きく進む展開は期待しづらい。しかし、円高に歯止めをかける材料になれば、日本株の下支え要因にはなると考える。円高かつ米国株が大幅安となった場合には、それなりの調整は免れないだろうが、それ以外であれば、あすは底堅い展開になると考える。物色では、きのうの村田製作所に続き、きょうはディスコが日経新聞の業績観測を手がかりに大きく上昇した。業績期待の高い安川電機などは足元で騰勢を強めている。上期に好業績が確認できた銘柄などを中心に、先回り買いの動きが強まると予想する。  一方で、新興市場はしばらく敬遠されると考える。業績相場に突入する中では、大型株の買い安心感が強まる傾向がある。また、ビットコインが急落していることも警戒材料となる。アグレッシブにハイリターンを期待するという点で、新興市場を好む投資家の一部が仮想通貨に流れているとの見方が強く、仮想通貨の下げが続いた場合、新興市場銘柄が手じまい売りに押されるとの警戒が強まる。特にマザーズ銘柄は、昨年大型株に強い上昇が見られた際に見劣りする動きが続いたこともあったことから、相対的な選好が弱まると予想する。
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