明日の戦略-残念な後場の失速、米国次第もあすは上値の重い展開か

2018/02/07(水) 16:43
 7日の日経平均は4日ぶり反発。米国株の大幅高を受けて大きく水準を切り上げて始まり、前場には700円超上昇する場面もあった。しかし、後場は急速に上げ幅を縮める展開。ファストリやファナックなど指数寄与度の高い銘柄がマイナス圏に沈み、指数はじりじりと値を消した。この動きを見て押し目買い意欲は後退し、下げに転じる銘柄も続出。引けでは35円安と小幅な上昇にとどまった。東証1部の売買代金は概算で4兆5200億円。業種別では騰落率上位は石油・石炭、医薬品、パルプ・紙で、下位は海運、食料品、その他金融となった。3Q決算が好感された能美防災が後場に入って急上昇。反面、シンフォニアテクノロジーは3Q決算が失望材料となり、大幅高から一転急落して大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1165/値下がり821と買いが優勢。1Qの強気見通しや増配が好感されたSUMCOが大幅上昇。上方修正と増配に加えて株式分割を発表したゴールドウインや、1Q好決算の西尾レントオールが急伸した。セガサミーやゼリア新薬、テレビ朝日なども決算を受けて大幅高。大和リースによるTOBに賛同の意を示したテクニカル電子がTOB価格にサヤ寄せしてストップ高となった。一方、急落直後の反転局面ではあったものの、ネガティブな決算を発表した銘柄は大きく売られる展開。JTやスクウェア・エニックス、河西工業やリンクバルなどが大幅安となった。  日経平均は前場で700円超上昇しながら、引けでは35円高。前引けでは660円高と高値圏を維持していただけに残念な動き。今晩の米国株が連日で大幅高となれば、きょうしぼんだ反動で、あすは急伸の展開も期待できるが、それ以外であれば、上値の重い地合いとなるだろう。きょうの後場の失速に関しては、指数主導の感が非常に強かった。このような動きを見せられると、大型株は買いづらくなる。  ただ、今晩の米国株が落ち着いた動きとなれば、世界的なクラッシュに対する警戒は和らぐ。日本株の弱さはさておき、マーケットの注目点は、直近の米国株の急落が、「終わりの始まり」なのか、「調整の一環」なのかという点にある。恐らくこの先も不安定な展開は続く。1月の米雇用統計が下げのきっかけを作った以上、次回の雇用統計前にも警戒は強まるであろうし、3月のFOMC(3/20~21)も相場のかく乱材料となりうる。しかし、米国株が落ち着きを取り戻せば、直近の下げに関しては、値幅調整との見方が強まり、個別に好材料のあるものには買いが入りやすくなる。物色面では、大型株はまだ指数の動きに振り回されやすいであろうから、中小型の好業績銘柄に着目しておきたい。
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