明日の戦略-円高進行でも日経平均は週間上昇、来週は戻り基調が継続か

2018/02/16(金) 17:00
 16日の日経平均は大幅続伸。米国株の大幅高を好感して買いが優勢。円高ではあったが、前場は為替が落ち着いていたこともあり、上げ幅拡大の展開となった。後場に入ると円高が進行し、ドル円は105円台に突入した。ただ、指数はやや上値が抑えられる程度で大きくは崩れず。そこからさらに円高が進む中でも値を保ったことから、引けまで堅調な地合いが続いた。東証1部の売買代金は概算で2.7兆円。業種別では全業種が上昇と全面高。電気・ガス、水産・農林、パルプ・紙などが中でも強く、保険、精密機器、倉庫・運輸などの上昇が限定的となった。決算が好感されたトレンドマイクロが大幅上昇。反面、大株主の大和ハウスによる株式譲渡が嫌気されたサイバーダインが大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1708/値下がり298と買いが優勢。今期見通しが好感されたアエリアが大幅上昇。アサヒGHDやサントリーBFなど、決算が好感された食品株に買いが入った。白鳩は小田急との連携強化を発表して大幅高。ソースネクストは前日に決算を受けて急落したものの、きょうは一転ストップ高と騰勢を強めた。一方、前期減益着地のサッポロHDが軟調。ホットランドやアクアラインが業績関連のリリースで大きく売られた。社長交代を発表した日本電産は終日売りが優勢で、後場にかけて下げ幅を広げた。  後場にドル円は105円台に入ったが、日経平均は3桁上昇を保って終えた。それまでの下げで、105円台はほぼ織り込んでいたものと思われる。ドル円は、いったんは到達感も出やすいタイミングで、為替が短期間で一方向に大きく動くのは、日本だけでなく米国でもデメリットを被る業界などもあることを鑑みると、そろそろ円高にはブレーキがかかると考える。しかし、この先の戻りが鈍いようだと、外需を中心に想定為替レートの見直しが業績悪化要因となる企業が多く出てくる可能性が高い。その場合、4~5月にかけては、新年度の見通し発表がリスク要因となりかねない。今週、円高進行でも買いが入ったことは好材料ではあるものの、来週のドル円が反転しなかった場合には、指数はしばらく上値の重い展開が続く可能性がある。 【来週の見通し】  堅調な展開を予想する。国内は決算が一巡し、来週は日米ともにイベントも少ない。中国は春節休場期間に入り、米国市場も19日が休場と、一気に材料難となる。そのため、為替や米国株に一喜一憂となりやすいが、米国株が安値から大きく値を戻していることが何よりの安心材料。今週は欧州株なども強く、世界的に株式が戻り基調となった。新たな手がかりが少ない分、この流れが急に悪化する可能性も低いと考える。日本株にとっては円高が警戒材料とはなるが、ドル円が105円台に突入した本日16日の日経平均は大幅高で終えており、円高への耐性もつき始めている。今週、日本株が世界株に比べて戻りが甘かった分、上げやすい地合いになると予想する。 【今週を振り返る】  前半軟調、後半堅調で週間では上昇した。円高基調が強まる一方、米国株は戻りを強め、日本株はこれら外部要因に翻弄される地合いが続いた。前半は円高に対するネガティブ反応が大きく、日経平均は米国株高を受けて上昇して始まっても、場中に値を消す展開。しかし、米国株が主要3指数そろって年初来でのプラスを回復するまでの強い上昇を見せたことから、後半にかけては、米国株高を好感して押し目買いが優勢となった。日経平均は週間では約337円の上昇となり、週足では6週ぶりに陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、1月貿易統計(2/19)、12月全産業活動指数(2/21)、1月消費者物価指数、1月企業向けサービス価格指数(2/23)などがある。  海外では、独2月ZEW景況感指数(2/20)、米1月中古住宅販売件数、1/30~31開催のFOMC議事録(2/21)、独2月Ifo景況感指数、米1月景気先行指数(2/22)などが注目される。  米企業決算は、ホーム・デポ、エコラボ、メドトロニック(2/20)、アドバンス・オート・パーツ、シノプシス、アンシス(2/21)、ヒューレット・パッカード(2/22)などが発表を予定している。  なお、2/19の米国株式市場はワシントン誕生記念日の祝日のため休場となる。
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