明日の戦略-米国株大幅高でも安値引け、内需株は調整かそれともピークアウトか

2018/04/11(水) 16:48
 11日の日経平均は3日ぶり反落。米国株は大幅高であったが、先んじてきのう上昇した分、ポジティブ反応は限定的。小幅高で始まり、早々にマイナスに転じた。内需銘柄が利益確定売りに押される中、シリア情勢への警戒から積極的な買いは手控えられ、前場は小幅安で終えた。後場は売り買いどちらの手がかりにも乏しい中、21700円近辺で小動きが続いた。しかし、引けにかけてはリスク回避の売りに押され、下げ幅を3桁に広げて安値引けとなった。業種別では石油・石炭、鉱業、海運などが上昇しており、精密機器、小売、食料品などが下落している。上期大幅増益のデザインワンが終日強い動きを見せ、ストップ高まで買われる場面もあった。反面、前期が計画下振れ着地となったパイプドHDが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり728/値下がり1278と売りが優勢。市況関連銘柄の戻りが良く、中でも証券会社が目標株価を引き上げたJXTGが大幅上昇。海洋掘削や三井海洋は日経新聞記事を手がかりに、レアアース関連として買いを集めた。ソフトバンクGは傘下の米携帯会社の再編観測が刺激となり大幅高。ビックカメラや竹内製作所、シグマ光機などが決算を受けて値を飛ばした。一方、花王やコーセー、資生堂、OLCなど、直近で買われていた内需銘柄が軒並み売られる展開。Jフロントや、ANAP、井筒屋などが決算失望で急落した。上場2日目で初値をつけたヒューマンAは買いが殺到してストップ高。きょうマザーズに新規上場したコンヴァノも終値は初値を上回り、しっかりとした動きが続いた。  日経平均は3桁下落の安値引け。米国株の上昇要因は先取りしていたとは言え、ダウ平均が400ドル超の大幅高となったことを鑑みると、さえない動き。内需株の売られ方が厳しかった。花王やコーセーなどは、先月後半からじわじわと上げていたのに、ここ2日で上昇分の大半を吐き出すような下落となっている。また、決算銘柄の動きも激しい。Jフロントは今年に入って下げ基調が続いており、調整は十分進んでいるかと思われたが、今期の営業減益見通しが嫌気されて9%超の大幅下落となった。決算で大幅高となっている銘柄もあるが、不安定な相場環境では下げに対して敏感となりやすく、こういった動きを見せられると、買いが入りづらくなる。貿易戦争への警戒が後退した一方で、シリアを巡る地政学リスクが浮上しており、目先は神経質な地合いが続くかもしれない。貿易戦争に関してはこれで解決というわけではなく、地政学リスクが高まる局面では基本的には外需は買いづらい。その点では、内需株が落ち着きを取り戻すかどうかが、あすの大きなポイントとなると考える。なお、短期的には原油価格が強含む展開が想定され、原油高メリット銘柄が騰勢を強める可能性がある。
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