明日の戦略-大幅安で5日線割れ、押し目で主力株の踏ん張りに期待

2018/05/23(水) 16:11
 23日の日経平均は大幅続落。米株安を嫌気して下落スタート。楽観ムードが後退する中、為替が円高に振れたことなどから見切り売りが加速し、下げ幅を300円超に広げた。前場で大きく下げたぶん、後場は下げ渋ったものの、戻りは鈍く低空飛行。前場の安値(22649円)は下回らなかったものの、22700円より上は重く、安値圏での小動きが続いた。業種別では上昇は空運、サービスの2業種のみで、その他金融が横ばい。一方、鉱業、石油・石炭、海運など市況関連セクターの下げがきつかった。証券会社が投資判断を引き上げた三菱総合研究所が大幅上昇。反面、受け渡し検査に関する問題で引け後に社長会見が開かれると伝わった日本ガイシが、商いを集めて大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり800/値下がり1182と売りが優勢。運営ポイントサイトで「Amazon プライムギフトコード」へのポイント交換を開始すると発表したセレスが急騰。仮想通貨配付コンテンツプラットフォームの提供開始を発表したAppBankがストップ高比例配分となるなど、仮想通貨、ポイント関連の一角が賑わった。米朝会談中止の可能性が意識されたことから、細谷火工や石川製作所など、防衛関連銘柄が大幅高。日経新聞の段ボール需要拡大の記事を材料に、大村紙業がストップ高まで買われた。また、きのうまで3日連続ストップ安のブライトパス・バイオが安く寄った後に切り返し、13%高と急伸した。一方、株式の売り出しを発表した銘柄が嫌われており、エン・ジャパンやジーテクトが大幅安。シグマクシスは14%超の下落となった。西松屋チェーンは月次失望で売りが優勢。証券会社が投資判断を引き下げたシンフォニアテクノロジーが急落した。  前場で大幅安となった日経平均は、後場は大きな動きはなく安値もみ合い。きょうの下げで5日線(22884円、5/23時点、以下同じ)を明確に割り込んだ。下値のめどは、25日線(22480円)、26週線(22390円)、13週線(21940円)、75日線(21932円)あたりとなり、押しが軽微であれば22500円割れ、深押しなら22000円割れが反転ポイントとなる。  今晩、米国では5月開催のFOMC議事要旨が公表される。6月のFOMCを意識して債券市場や為替に大きな動きが出てくるかどうかが注目される。直近では、米国株が金利上昇とドル高(円安)を許容してしっかりした動きが続いていたため、日本株は良いとこ取りで上昇していたが、地合いが悪化したこのタイミングで金利上昇、米国株安の動きが出てしまうと、仮に円安が進んだ場合でも、日本株は好感できない可能性があり、警戒が必要。金利低下、米国株高なら、反動高が期待できるが、その場合には、5日線(22884円)を早々に回復できるかが注目ポイントとなる。物色では、指数は後場に下げ渋ったにもかかわらず、主力どころに押し目を拾う動きはほとんど見られなかった。また、きょうの急伸銘柄に関しては、その材料を鑑みると、マネーゲームの様相が強い。こういった状況が続くようだと、相場も不安定さを増しやすくなる。押し目で主力株に買いが入るかに注目したい。
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