明日の戦略-米朝会談に振り回されるもしっかり上昇、リスクオン相場に突入か

2018/06/12(火) 16:53
 12日の日経平均は続伸。欧米株高と円安を受けて早々に23000円台に到達したものの、米朝首脳会談の開始時間に向けては急失速。下げに転じる場面もあったが、会談成功への期待から、改めて買いが入った。会談中は動意薄となったが、後場の取引時間中に合意文書への署名が行われたことで上げ幅を拡大。ただ、記者会見の内容を見極めたいとの見方から、引けにかけては上値が抑えられた。東証1部の売買代金は概算で2兆3000億円。業種別では、陸運、石油・石炭、食料品などが上昇しており、海運、保険、輸送用機器などが下落している。証券会社が目標株価を引き上げたLINEが、高く寄って上げ幅を広げる強い動きで大幅高。反面、米朝会談実現で地政学リスクが後退する中、細谷火工や石川製作所など防衛関連株が、終盤にかけて下げ加速となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1126/値下がり858と買いが優勢。証券会社のリポートを手がかりにGMOやポールHD、サイバーエージなどが大幅上昇。1Qの進ちょくが良好で、自己株取得なども発表したCasaが急伸した。NECとAIマーケティングで提携すると報じられたマクロミルや、月次が好調だったモノタロウなども大幅高。屋内測位・位置情報システム市場向けソリューションの開発を開始したと発表したアプリックスはストップ高となった。一方、決算失望銘柄が容赦なく売られており、シーズHDや正栄食品、ナ・デックスが急落。萩原工業やアスカネットなども決算を受けて大きく売られた。スクエニHDやカプコンは新作ゲームに関するリリースがあったが、ゲーム株はビッグイベント「E3」前に期待値が高まっていたこともあり、株価は売りが優勢となった。  日経平均は上昇し、23000円台を回復する場面もあった。米朝首脳会談に振り回された1日であったが、場中に材料を消化する日本にとっては、物別れに終わるなど、急落を引き起こすような内容とならなかったことがポジティブ。円満ムードで終えたことで、少なくとも北朝鮮を巡る地政学リスクに関しては、しばらく沈静化すると期待できる。あすはFOMCの結果発表前でもあり、動きづらいとは想定されるものの、地合いとしてはリスクオンに傾きやすいと考える。欧米株高などのフォローがあれば、指数の一段高を伴ってのわかりやすい上昇になるであろうし、23000円を前に足踏みしたとしても、個別物色は活況になると予想する。きょうの動きでは、日本電産の大幅高が光った。同社のようないわゆる国際優良株に買いが入るようになると、先高期待が高まりやすい。武田などもそろそろ下げ止まりそうな雰囲気はあり、メジャーどころの銘柄に強い動きが多く見られるかに注目したい。
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