明日の戦略-3日続伸で一定の戻りは達成、出遅れ外需への買いは続くか

2018/07/10(火) 16:35
 10日の日経平均は3日続伸。米国株の大幅高を受けて22200円台からのスタート。前場はあまり動きはなかったが、寄り付き直後を安値にじり高基調が続いた。後場は、長く高値圏でもみ合ったが、取引終盤にかけてまとまった売りに押され、144円高と3桁上昇ながら安値引けとなった。前場で下げに転じる場面もあったマザーズ指数は、後場はマイナス圏の時間帯が長く、反落して終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆6000億円。業種別では石油・石炭や非鉄金属、電気機器が上昇しており、電気・ガスや陸運、水産・農林などが下落した。幅広く買いが入っていた前場と比べると、後場は、出遅れ銘柄を買ってディフェンシブ銘柄を売る流れが強まった。決算が好感されたコジマが大幅高で年初来高値を更新。反面、上期の決算発表の延期を発表したアクトコールが急落し、年初来安値を更新した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり932/値下がり1094と、日経平均は上昇したものの売りが優勢。自己株取得に関するリリースが好感されたヤフーが11%を超える大幅高。経営統合の正式合意を発表した出光興産と昭和シェル石油がそろって値を飛ばし、コスモエネルギーや富士石油など同業他社にも買いが波及した。また、安川電機や楽天など下値模索が続いていた銘柄に強い動きが見られた。きょう新規上場のMTGは高い初値をつけた後も買いが続き、全市場の売買代金ランキング3位(ETFを除く)となるなど、市場の注目を大きく集めた。一方、下方修正を発表したラクト・ジャパンが大幅安。ANAPやプロパストが決算失望で急落した。カプコンは証券会社の投資判断を引き下げを受けて値を崩した。大商いのMTGに資金が吸い取られる格好で、足元で騰勢を強めていた小型株の一角が利益確定売りに押されており、和心やシルバーライフはストップ安となった。  日経平均のきょうの高値は22321円で、6月29日の終値22304円を上回り、先週の下げ分を埋めた。一方、きょうは終盤に失速して安値引けとなっており、一定の戻りを達成したところでは売りも出てきた。ETFの分配金支払いのための先物売りが背景にあるとの見方もあり、それであれば需給要因にすぎないが、引け味が悪かったことは事実。あすは海外からのフォローがなければ、気迷いで方向感に欠ける展開が想定される。テクニカル的にも、ここから上は25日線(22381円、7/10時点、以下同じ)や13週線(22443円)などの節目が控えており、いったん上値も抑えられやすい。  物色面ではハイテクなど外需の動きが良くなっている。円安基調が維持されているということも大きいが、指標面でも割安感のあるものが多い。これらに引き続き押し目買いが入るようであれば、仮に指数の戻り度合いが緩慢になったとしても、底堅い展開は期待できる。また、そういった動きが続けば、先週が底であったとの見方も強まる。あす寄り前には5月機械受注が発表されることから、機械株の動向などを注視しておきたい。
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