明日の戦略-主力銘柄が買われ大幅反発、円安も追い風に指数主導の上昇が続くか

2018/07/12(木) 16:40
 12日の日経平均は大幅反発。米国株安は悪材料視されず、円安進行を好感して上昇スタート。取引時間中も円安が進んだことから、じり高基調が続いた。アジア株や米株先物も上昇し、リスク警戒ムードが一段と和らぐ中、後場に入っても買いの勢いは緩まなかった。前場では円安でも内需ディフェンシブセクターの動きが良かったが、後場は自動車や機械などにも買いが入り、指数は上げ幅を300円超に広げる場面もあった。東証1部の売買代金は概算で2兆3000億円。業種別では水産・農林、情報・通信、医薬品などが上昇しており、鉱業、石油・石炭、非鉄金属などが下落している。1Q決算を発表したユニー・ファミマが後場に上げ幅を広げて大幅高。反面、下方修正を発表した明光ネットワークは終日売りが優勢で、大幅安で年初来安値を更新した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1181/値下がり820と買いが優勢。米投資ファンドが株式を取得したと報道が好感されたソフトバンクGが大幅上昇。エーザイが8%高と急伸し、決算を控えたファーストリテイリングが買いを集めた。ほか、1Q大幅増益のベル24やジェーソン、上方修正と自己株取得を発表したスター精密、増配を発表したサカタのタネなどが大幅高となった。一方、原油価格の下落を嫌気して国際帝石やJXTG、コスモエネルギーなどが大幅安。円安でも村田製作所や東京エレクトロンなどハイテク株の動きはさえなかった。コシダカHDやアクアライン、ヤマシタヘルスケアなどが決算を受けて急落。1Q減収減益のホギメディカルはストップ安まで売られた。  日経平均は255円高。きのうの下げ分(264円)をほぼ戻した。今晩の米国株が大崩れしてしまうとやっかいだが、悪材料を消化してしっかり切り返したことで、この先は買いが入りやすくなると考える。為替に関しては、足元で米中の貿易戦争が激化することは、ドル高(円安)材料との見方が強まっている。米国は自国産業の強化を目的とした政策を推進しているのだから、米国経済への悪影響は限定的との見方が浮上していることや、中国の方も元安が進行していることで、ネガティブ影響が緩和されていることなどがその背景にある。足元ではリスクオフの材料が出てきても為替はそれほど円高には振れていないが、この動きを正当化できる理屈がついてくると、円安支持派が優勢となり、短期的には円安が加速する可能性がある。  引け後に発表されたファーストリテイリングの決算では、3Q累計の営業利益が通期の会社計画を超過した。上期決算発表時(4月)に上方修正した数値を上回っており、同社の強さを再確認する内容であったと言える。決算直後に関しては、内容が良くても売られることはあるが、通期の上振れはほぼ確実で、素直に好感されるのではないかと考える。仮に売り反応となったとしても、市場全体にネガティブな影響を及ぼす可能性は低いだろう。きょうは同社含め、ソフトバンクGやエーザイ、ユニー・ファミマなど、225採用銘柄に強い動きが見られた。為替の後押しも含め、指数主導の上昇が期待できそうな局面。先週の日経平均は、週間で約516円下落した。一方今週は、きょうまでで約399円上昇している。先週の下げ分を取り戻し、来週への期待を高めて三連休を迎えることができるかに注目したい。
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