明日の戦略-上げ幅縮小もプラスは確保、来週は貿易問題警戒も底堅い展開か

2018/08/03(金) 17:05
 3日の日経平均は小幅反発。買い先行から上げ幅を3桁に広げたが、早々に上値が重くなり上げ幅を縮める展開。前場はプラス圏は維持して小幅高で終えた。後場はやや弱含み、前日終値近辺での小動き。トヨタが後場に1Q決算を発表し、これと同じタイミングで指数もプラス圏とマイナス圏を行き来したが、トヨタの値動きが落ち着くと、週末を控えて動意薄となり、引けではプラスを確保した。トヨタは決算発表直後に買われる場面があったが失速して下げに転じている。TOPIXは小幅安で新興市場も軟調。手詰まり感が強まる中、マザーズが大きめの下げとなった。東証1部の売買代金は概算で2兆3200億円。業種別では精密機器、石油・石炭、鉱業などが上昇しており、食料品、海運、鉄鋼などが下落している。1Qの利益が上期計画を超過した日本金銭機械が大幅高で年初来高値を更新。反面、三菱ロジネクストは1Q決算が市場の期待に届かず、後場に大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり435/値下がり1609と指数は値を保ったものの、値下がり銘柄の数は多い。1Qが大幅増益となったスズキが8%を超える大幅上昇。売買代金は全市場で5位(ETFを除く)となる大商いで年初来高値を更新した。HOYAやフジミインコ、芝浦メカなども決算を受けて大幅高。エクストリームは中国でのゲーム配信が好感されてストップ高。大塚家具は経営不振でスポンサー探しを進めているとのメディア記事を材料にストップ高まで買われた。一方、クボタやアサヒが決算を受けて大幅安。決算では山崎製パンや亀田製菓、スターゼンなど食品株に大きく売られるものが目立った。今期最終赤字に転落の見通しとなったメガチップスはストップ安。有価証券報告書の提出遅延で管理銘柄(確認中)に指定された省電舎がストップ安比例配分となった。  日経平均は4週ぶりに反落した。日銀会合前の警戒売りと、きのうの後場からの急落が響いた。決算で任天堂やソニーに非常に強い動きが見られた週であっただけに、下げて終えたことは物足りないが、節目の22500円は上回っており、来週の挽回に期待したい。東証1部の売買代金は概算で2兆3200億円。7/31に3兆円を超えた(3兆2600億円)後、2兆9600億円(8/1)、2兆7600億円(8/2)と2兆円台後半の商いが続いていたが、きょうは大きく減っている。トヨタが場中に決算を発表し、ほかにも決算で激しく動いた銘柄が多かった割には商いは低水準であった。米雇用統計前ということもあったのかもしれないが、来週は改めて売買の増加が見られるかに注目しておきたい。商いが盛り上がらない場合には、利の乗っている銘柄に関しては、一部を利益確定するなど、8月後半の「夏枯れ相場」に備えた対策も必要と考える。 【来週の見通し】  堅調か。決算発表も折り返しとなるが、引き続き発表企業数は多い。今週、米中貿易戦争激化が改めて意識された上に、8月9日(日本時間10日)にはワシントンで日米通商協議の開催が予定されており、通商問題は引き続き警戒材料にはなる。ただ、来週の決算は内需銘柄が多いこともあり、この影響が相対的に小さい銘柄が物色される可能性が高い。また、影響が懸念される銘柄に関しても、株価の調整は相当程度進んでいる。銘柄・セクター間の強弱はあるだろうが、個別物色が活況となる局面では大崩れは想定しづらく、決算や個社材料を手がかりに「視界が不透明な中でも買える銘柄」探しが続くと考える。テクニカル面でも22500円より下にはサポートも多く、底堅い展開を予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。前半は日銀金融政策決定会合にらみで警戒売りに押される展開。会合では、金融緩和継続のための枠組み強化に向けてETFの購入方法見直しなどが決定されたが、事前報道などから内容はある程度織り込み済みで、日本株は結果を好感する格好で上昇した。しかし、米国が対中輸入関税の税率を引き上げると伝わり、これを受けて上海株が崩れる場面があったことから、楽観ムードが急速に冷やされた。ただ、決算発表集中期で、個別物色も盛り上がる中、指数は22500円どころでは耐性を示した。日経平均は週間では約187円の下落、週足では4週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、6月家計調査、6月毎月勤労統計調査、6月景気動向指数、JPX日経400銘柄入れ替え発表(8/7)、7月景気ウォッチャー調査、日銀政策委員会・金融政策決定会合の主な意見(7/30~31開催分)(8/8)、6月機械受注、7月都心オフィス空室率、7月工作機械受注(8/9)、国内4-6月期GDP、7月国内企業物価指数、6月第3次産業活動指数、オプションSQ(8/10)などがある。  決算発表は、ソフトバンクG、大成建、SUBARU、ユニチャーム、東レ、グローリー、プリマハム、古河機、マルハニチロ、五洋建、サントリーBF、楽天、アース製薬、ニチアス、日製鋼、三浦工、ヤマシンフィルタ、DACHD、ワコム、パイオニア、オプテックスG、ホトニクス、太陽誘電、西日本FH、第一興商、Uアローズ、オカムラ、名鉄、JR九州、スズケン(8/6)、大林組、鹿島、三菱マ、島津製、NTT、デンカ、日清食HD、森永乳、不二製油、日精機、稲畑産、日本粉、明治HD、博報堂DY、キリンHD、シップHD、トレンド、住友ゴム、住阪セメ、東海カ、SANKYO、エレコム、横河電、IHI、ノジマ、ゼンショーHD、ワークマン、ニコン、オリンパス、バンナムHD、NISSHA、ケーズHD、ベネッセHD、ダイキン、東急建設、KYB、市光工、ホシザキ、スクエニHD(8/7)、東芝、大塚HD、JXTG、東芝テック、DMG森精、大王紙、千代建、東鉄工、岩谷産、石油資源、大和ハウス、日本紙、NIPPO、スシローGHD、昭電工、クレハ、テルモ、ラウンドワン、資生堂、住友鉱、DOWA、ニッパツ、SMC、ハーモニック、ダイフク、ヤマハ発、東急、福山運、富士ソフト、日ペイントH、カネカ、パイロット、MS&AD(8/8)、清水建、富士フイルム、メルカリ、日揮、雪印メグ、クラレ、DIC、ブリヂストン、国際帝石、長谷工、ミクシィ、森永菓、DeNA、マクドナルド、マツモトキヨシ、ネクソン、電通、ロート、ペプチド、関西ペ、昭和シェル、太平洋セメ、荏原、THK、シチズン、大日印、丸井G、クレセゾン、ソニーFH、T&DHD、住友不、GMO、ブラザー、飯田GHD、第一生命、コスモエネHD (8/9)、リクルートHD、東京海上、浜ゴム、レオパレス21、近鉄GHD、東映、ショーボンド、前田道、エア・ウォーター、ケネディクス、三井金、アマダHD、日本郵政、かんぽ、ゆうちょ、ドンキホーテH、凸版印、青山商、SGHD、セコム、セイノーHD、Dガレージ、マブチ、SOMPOHD(8/10)などが予定している。  海外では、米6月消費者信用残高(8/7)、中国7月貿易収支(8/8)、中国7月生産者物価指数、中国7月消費者物価指数、米7月生産者物価指数(8/9)、米7月消費者物価指数、米7月財政収支(8/10)などが注目される。  米企業決算では、マリオット・インターナショナル、モザイク(8/6)、ウォルト・ディズニー(8/7)、21世紀フォックス(8/8)、バイアコム、マイクロチップ・テクノロジー、ニューズ・コーポレーション(8/9)などが予定している。
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NYダウ 38,085.80 -375.12
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