明日の戦略-後場は買いが続かず小幅安、急落のゼネコンは選別色が強まるか

2018/08/06(月) 16:56
 6日の日経平均は小幅反落。米国株高を受けて上昇して始まったものの失速。下げに転じて22500円を割り込んだが、アジア株がおおむね堅調にスタートしたことを好感して切り返し、前引けでは101円高(22626円)と3桁の上昇で終えた。しかし、後場は上げ幅を縮めて始まると、じりじりと値を消す展開。値下がりに転じる銘柄も増える中、再び下げに転じた。上海株の失速を受けて警戒感が強まった。ただ、前場同様に22500円より下では下げ渋り、引けでは17円安(22507円)と小幅な下落にとどまった。東証1部の売買代金は概算で2兆0800億円。業種別では情報・通信、鉄鋼、石油・石炭などが上昇しており、その他製品、建設、金属製品などが下落している。1Q決算が好感された東洋紡が後場プラス転換から上げ幅拡大。反面、1Qの大幅減益が嫌気された大成建設が後場に急落しており、大林組や鹿島、清水建設など他の大手ゼネコンにも売りが波及した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり540/値下がり1486と売りが優勢。ソフトバンクGが決算期待から買いを集め、先週、決算を受けて急伸したスズキが大幅高。1Q決算が好感されたNTTデータが7%超の上昇となり、大きな注目を集めた。上方修正と増配を発表した大平洋金属や1Q大幅増益のユナイテッドなどが急伸。レックは決算に加えて殺虫剤ブランド「バルサン」の譲り受けなども材料にストップ高まで買われた。TOBに賛同の意を示した三井ホームや朝日工業などもストップ高。一方、主力どころでは任天堂の下げが大きかった。下方修正を発表した堀場製作所やフォスター電機、上期大幅減益のアシックスが大幅安。ASB機械やグンゼは業績関連のリリースを材料にストップ安まで売られた。ほか、元取締役会長の岡田和生氏が逮捕されたことを発表したユニバーサルエンターテインメントが後場に急落した。  日経平均は上下に不安定な動きが続き、引けでは17円安と小幅安。前引けに向けて急伸していたのに、昼休みを挟んだ後場には一転して弱い動きとなっており、手がけづらさが意識される。全体に方向感が出ない分、決算などで材料のある銘柄は派手な動きが出やすくなっており、今週は、リスクオンにもリスクオフにもならない中で、値動きのある銘柄を物色する地合いが続きそうな印象。急伸銘柄に飛びつくのはリスクも高いが、急落銘柄に関しては、テクニカルやファンダメンタルズを精査して安いところを仕込んでおくには良い局面と考える。  あすは引け後に決算を発表したソフトバンクGの動向が注目される。きょう期待買いが入ったと言っても、7月に株価が1万円に迫ったところからは売りに押されており、程よく調整が入って再上昇が期待できそうなチャート形状になっている。また、大きく崩れた建設株にも注目しておきたい。大成建設が決算を受けて急落し、大手は軒並み安となったが、大林組と鹿島はあすの昼休みに決算を発表する予定。これらが大成建設同様に1Qが良くなく、決算を受けて売られるようなら、しばらく建設は敬遠される可能性が高い。しかし、まちまちであれば、好内容が確認できたものに関しては、業界の勝ち組として目先の選好が強まる可能性がある。このところの建設株は物色の蚊帳の外に置かれていたような感があったが、きょうを境に動きに変化が出てくるかもしれない。
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