明日の戦略-後場は一時プラスに浮上、あすは日米協議にらみも下値は堅いか

2018/08/09(木) 16:54
 9日の日経平均は続落。米中貿易摩擦激化が警戒され、下落スタートから早々に下げ幅を3桁に広げた。しかし、22500円を割り込んだことで押し目買いが入り、前場は60円安で終えた。後場は上海株の堅調を支えに戻りを試す流れとなり、円安進行を受けてプラス圏に浮上した。ただし上値は重く、引け間際には売り直されて45円安と小幅安で終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1800億円。日米貿易協議を前に、商いは盛り上がりに欠けた。業種別では化学、水産・農林、空運などが上昇しており、石油・石炭、建設、非鉄金属などが下落している。きのう決算で急落した資生堂が、証券会社の目標株価引き上げもあってきょうは急反発。8000円台回復から一段高となった。反面、1Qが大幅減益となった清水建設が後場に大きく崩れた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり849/値下がり1157と売りが優勢。上方修正を発表した昭和電工が大幅上昇。1Q大幅増益のSECカーボンがストップ高まで買われ、東海カーボンや日本カーボンにも資金が向かった。パイオニアは再建支援に関する報道を手がかりに急伸。上方修正を発表したT&Gニーズやダイフク、アセンテックなどが値を飛ばし、1Q大幅増益に加えて1:4の株式分割を発表したMS-Japanはストップ高となった。一方、排ガス検査において不適切な取り扱いが発覚したスズキやヤマハ発動機が大幅安。大和ハウスや日本ペイント、三井住友建設などが決算失望で急落し、通期が営業赤字に転落の見込みとなった中村超硬はストップ安となった。SUMCOは上期の大幅増益を受けて買いが先行したものの、失速して下げに転じた。  きょうは続落となったものの、売り一辺倒とはならず、下値では買いも入った。安値(22497円)は25日線(22454円)を割り込んでおらず、終値(22598円)は5日線(22587円)を上回った。欲を言えばプラスで終えて欲しかったが、テクニカルの節目が意識されながら下げ渋ったことはポジティブ。あすは日米の貿易協議が注目材料にはなるが、長引く可能性もあり、取引時間中にどこまでの情報が出てくるかは不透明。ただ、閣僚級メンバーの初会合であること、今のところ、この会合に向けてトランプ大統領からは過激な言動が出てきていないこと、米国も日本と対決色を強めることは望んでいないと思われることなどから、出てくる内容が日本株の急落を招く可能性は低いだろう。直接的な影響が懸念されるトヨタなどは先んじて下げており、協調ムードで終わればそのことが買い材料にもなりうる。ニュースに一喜一憂とはなりそうだが、下値は堅いと考えることから、引き続き、押し目は買いのスタンスを推奨したい。
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