明日の戦略-売り一巡で久しぶりに値上がり1000超え、バリューシフトも

2018/09/10(月) 16:25
 10日の東京市場で日経平均は反発。朝方は米国株安を受けて売り優勢のスタートとなったが、先週末の安値を意識した押し目買いで下げ渋った。メガバンクやソニー、NTTなど大型株の一角が上昇したことも心理的な支えとなった。後場も東京エレクやソフトバンクなど日経平均に寄与度が大きい銘柄の軟調は続いたが、6日続落後とあって値ごろ感の買いが幅広く入りプラスゾーンでの推移を続けた。業種別では、保険や鉱業、海運、医薬品、銀行などが上昇、陸運や化学、ガラス・土石製品、水産・農林、サービスなどの下げが目立った。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1202/値下がり808と買いが優勢。個別では、第2四半期決算は従来計画を大幅上振れ着地のポールトゥウィンが大幅続伸したほか、婚活サイト運営のIBJが8月度の月次順調が評価され大幅反発。連続2ケタ増益見通しや自社株買い評価の日本駐車場開発は商いを伴い大幅高となった。先週、復興需要で買われてきたカナモトは大手証券による目標株価引き上げが支援材料となった。スルガ銀行は第三者委員会の調査報告書を受けてアク抜け感から一時7%超まで上昇する場面もあった。  一方、gumiは第2四半期の業績見通しが嫌気され値下がり率トップ。続くエイチームも今期の2ケタ営業減益見通しを受けて年初来安値を更新した。第3四半期の好決算を発表したクミアイ化学工業も材料出尽くしで大幅安となった。  日経平均、TOPIXともに先週末の安値を下回らず、日足では陽線引けとなりいったん下値を確認した可能性が高い。今晩の米国市場の動向にもよるが、主要3指数が反発で返ってくる場合は、戻りを試す展開が想定される。好調な米経済指標を受けて米10年債利回りが緩やかに上昇する中、きょうのように出遅れ感のある銀行株などが上昇できれば、指数の下支え要因となる。日本株の空売り比率も足元で高水準が続いており、買い戻しがTOPIXの支えとなる。日経平均は9月限のメジャーSQを前に、22500円付近を意識する展開が予想される。  東証1部の騰落レシオ(25日)は84.7%(9/7現在)と過熱感はなく、好業績に加え高配当やPERなどのバリュエーション面で割安感のある銘柄には買いが向かいやすい。また、1月の年初来高値から一本調子で下げた主力の景気敏感株には底入れの兆しが一部に出てきたよう。ハイテク株が利益確定売りに押される一方、目先のリバウンド局面では、非鉄、鉄鋼、銀行などのバリュー株に目が向く公算が大きい。  新興市場もマザーズ指数が25日線をサポートに反発した。このまま上昇が続き、先週高値(1049.13P、8/31)を上回ると底入れパターンに近づくことになる。
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マーケットデータ
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