明日の戦略-指数は底堅いも、台風被害や貿易摩擦による悪影響に一層警戒ムードか

2018/09/12(水) 16:57
 12日の東京市場で日経平均は反落。後場は様子見姿勢が続き、積極的な押し目買いは限られた。米主要3指数の上昇や円安を背景に買い先行となったが、東京エレクなどの半導体関連株が売られた。また、台風被害による業績懸念から電子部品株が下げたほか、工作機械受注の悪化による機械株の下げで全体のムードが悪化。大口投資家によるリバランスの売りに短期筋の追随売りなどが押し下げ要因となった。業種別では鉱業や水産・農林、情報・通信、陸運などが上昇、電気機器や機械、海運、化学、建設などが特に下げた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり548/値下がり1496と売りが優勢。個別では、上げが目立ったところでは、アイビーシーはセキュリティ関連としての買われたほか、最終利益の上方修正に伴い増配を発表したイチネンHLDGは大幅続伸。前日の下げの反動でレノバやヤフーが反発した。グレイステクノロジーやMonotaROなども堅調に推移した。  一方、SUMCOや信越化学が外資系の格下げで大幅に下げたほか、日本シイエムケイや三菱電機など電機セクターに悪材料が重なり、下げるものが目立った。8月工作機械受注では輸出額が21カ月ぶり前年割れとなり、ツガミやオークマなども長い陰線を形成した。 そのほか、前期業績の下振れ着地を嫌気されシーズHLDGが値下がり率トップで大幅安となり、一部不動産業界紙で創業初期から不正横行と伝わったTATERUが安値を更新、スルガ銀行も投げ売りがかさんだ。  指数の底堅さはあったものの、値下がり銘柄数が多く内容は前日に続いて芳しくない。米国市場は循環物色で指数は高値圏を維持する一方、東京市場は台風被害による業績への懸念に加え、8月工作機械受注で輸出が21カ月ぶり減少するなど、米中貿易摩擦によるとばっちりで景気への悪影響に一層警戒感が強くなっているようだ。指数の動向は先物主導というよりも、どの業種やどの個別株が物色されるかで変動幅が左右されそう。ドル円も112円手前からは上値が重く、支援材料にはなりづらい。  あすは引け後にECB定例理事会(ドラギ総裁会見)が開催される。引き続き、日本株はドル円、ドル円は日本株にらみといった具合で積極的には動きづらい展開か。外部環境にもよるが、後場あたりは週末からの三連休、翌週の自民党総裁選挙を控え、様子見姿勢が強まる公算が大きい。  一方、きょうの後場の日経平均は下げ幅を縮小して終えた。目先的には5日線の上昇が強くなる可能性が高く、株価の押し上げに寄与するかが注目される。  いずれにしても、前日の上昇で200日線上を回復している。25日線もまもなく上昇に変わる可能性が高く、短期指標は次第に改善方向へ。ひとまずは、5月高値を起点に6月や7月高値を通る上値抵抗線、ないしは5月高値を起点に直近8月高値を通る上値抵抗線までの上値余地はあるとみられる。
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