明日の戦略-モメンタムは強気ゾーンへ、投資マインドの改善が試される

2018/09/14(金) 16:03
 14日の日経平均は大幅続伸。後場も米ハイテク株の上昇や円安を好感する流れが続いた。米国による対中制裁関税第3弾の発動が先送りの可能性が高まったことが追い風になり、終値ベースで23000円台を回復。5/21に付けた戻り高値を更新した。直近で大幅に売られていたFAや電子部品、半導体などハイテク関連銘柄を中心に買い戻しが続いた。売買代金上位ではソニーやファナックが大幅高、任天堂や資生堂は下げた。業種別では、電気機器や機械、海運、保険、精密機器などが値上がり率上位となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1557/値下がり474と買いが優勢。個別では、第1四半期の大幅増益決算が好感されたヤーマンが値上がり率トップ。ジャパンベストレスキューが買い戻しで大幅高となったことや、鎌倉新書が上値追いとなった。また、国内証券が新規に買い推奨したサンフロンティア不動産が上昇。売り込まれてきたFA関連には買い戻しの流れが強まり、安川電機やナブテスコ、オムロンなどが堅調に推移した。   一方、高値警戒感からヘリオステクノHLDGが反落。前日、半導体製造装置関連では逆行高した新川が早くも失速。アイモバイルは今期2ケタ営業減益見通しが嫌気された。主力株では高島屋や大塚HLDG、スズキなどが軟調に推移した。 【来週の見通し】  底堅い展開か。来週は4日立会い。週初は米国株式市場の2日間の値動きを織り込むかたちとなる。トルコの利上げでエマージングリスクがやや後退。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の記者会見を通じてユーロ圏経済への懸念も和らいだ。ヘッドラインに要警戒は続くものの、米中通商協議が開催されるならば、対中制裁関税第3弾(2000億ドル)や第4弾(2670億ドル)の発動が先送りされる可能性が高い。そういった意味でもリスクオンに傾きやすい環境下、ポイントは週後半の自民党総裁選挙の結果を通じて、海外勢の売り越しスタンスに変化がみられるかどうか。あとは、ドル円が1ドル=112円超えに居所を変えられるかがポイントとなる。  年初来高値からの一本調子の下げでPERが割安になった主力株が増加していることに加え、東証1部の騰落レシオ(25日)もさほど過熱感はない。タイミング的には9月末の配当権利取りの動きも刺激しそうだ。  翌週に発生する年金資金(GPIF)などのTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口資金の配当再投資を期待し、先回り買いや売り控えが生じるだろう。需給や足元の業績は悪くなく、投資マインドの改善が試される週となりそうだ。  日経平均のテクニカル面では、5月高値を起点に直近8月高値を通る上値抵抗線を上方にブレークした。TOPIXは一目均衡表の雲下限まで上昇した位置となり、いったん上値抵抗になるとみれば、日経平均も目先的には微調整が考えられる。ただ、下方には短期・中期・長期の移動平均線や、転換線や基準線などが集中しており下値は堅そう。むしろ、5日移動平均線(22711円 9/14)の上昇が続く可能性が高く、RSI(9日)は64.8%に上昇した。強弱の分岐点となる50%超えたことに加え過熱感もなく、週明けはさらに勢い付く可能性が高い点にも留意したい。 【今週を振り返る】  堅調だった。8月工作機械受注で輸出が21カ月ぶりの減少となり、米中貿易摩擦による景気への悪影響が懸念された。外資系証券による半導体セクターに対するネガティブな見解で関連銘柄に売りが出たほか、台風被害による業績への懸念で関西に拠点を置く電子部品株の下げが全体の重荷となった。一方、ソフトバンクやファストリなど寄与度が大きい銘柄の上昇が指数を支えたことや、メガバンクやソニー、NTTなど大型株の一角が堅調だったことが心理的な支えとなった。  一方、米中の通商交渉再開期待を背景に株高への期待が高まり、先物主導で上げ幅を拡大。メジャーSQ算出日の週末はアップルを中心に米ハイテク株の上昇や、1ドル=112円台に乗せたことが好感され、SQ値は23000円を上回った。三連休を前に手控え感もあったが、後場も高値圏を維持し5/21の戻り高値を更新。週足は前週の陰線高値を上回る長い陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、日銀金融政策決定会合(~9/19)(9/18)、黒田日銀総裁会見、8月貿易統計、8月訪日外客数(9/19)、自民党総裁選挙投開票、東京ゲームショウ2018(~9/23)(9/20) などがある。  決算発表は、ツルハHD、アークランド(9/18)、ファーストロジ(9/19)、クスリのアオキ(9/20などが予定している。  海外では、米9月NY連銀製造業景気指数(9/17)、米9月NAHB住宅市場指数、国連総会開幕(9/18)、米8月住宅着工件数、米8月建設許可件数(9/19)、米9月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米8月中古住宅販売件数、米8月CB景気先行総合指数(9/20)、8月消費者物価指数、7月全産業活動指数(9/21)などが注目される。
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