明日の戦略-楽観ムードを戒める金利上昇、来週は小売の決算に一喜一憂か

2018/10/05(金) 16:52
 5日の日経平均は3日続落。米国株が長期金利の上昇を嫌気して下げたことで、今晩の9月米雇用統計への警戒が強まった。寄り付きから3桁下落で23700円台からのスタート。いったん戻りを試したものの売り直され、その後はさえない地合いが続いた。後場は三連休を前に様子見姿勢が強まり、上げも下げもせず23800円近辺での小動き。終値は191円安の23783円で、前引け(23784円)や寄り付き(23781円)とほぼ変わらない水準で終えた。リスク警戒ムードが強まる中、マザーズ指数が2%超の下落と大きめの下げになった。東証1部の売買代金は概算で2兆7700億円。業種別では銀行、その他金融、証券・商品先物などが上昇しており、非鉄金属、化学、鉱業などが下落している。バカマツタケの完全人工栽培に成功したと発表した多木化学がストップ高比例配分。半面、通期利益見通しの下方修正と株式売り出しが嫌気された歯愛メディカルが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり536/値下がり1506と売りが優勢。米国の長期金利上昇を材料に金融株には買いが入り、メガバンク3行がそろって上昇。株安でも野村HDや大和証Gなど証券株に資金が向かった。主力どころで強さが目立ったのがユニー・ファミマで、上方修正が好感されて大幅高となり、年初来高値を更新した。ほか、決算好調の佐鳥電機が急伸した。一方、金利上昇でハイテク株が嫌われ、TDKやSUMCO、村田製作所などが大幅安。証券会社の投資判断引き下げを受けて三菱ガス化学や東ソーが大きく売られた。決算ではサプライズなしでは失望となり、クリーク・アンド・リバーが急落。不二越やナガイレーベンなども売りが優勢となった。  日経平均は4週ぶりに週間下落。前半は一気に25000円乗せもありそうな雰囲気であったが、後半は一転してピーク感が強まった。週足では前の週の陽線の実体部分を今週の陰線の実体が包む格好となっており、下振れを警戒しておく局面。三連休の間に海外市場の地合いが改善すれば週初からの24000円台回復も期待できるが、そうならなかった場合には、25日線(23319円、10/5時点)あたりまでの調整は見ておくべき。一方、22500円~23000円どころには週足の節目が多く控えており、深押ししても23000円までと考える。3月決算企業の業績発表が本格化する10月後半以降からは堅調な地合いが続くと考えるが、そこまでは今週のように相場の雰囲気がガラッと変わるような展開も想定される。テクニカルの節目を意識しつつ、下げても慌てずのスタンスで臨みたい。 【来週の見通し】  もみ合いか。イベントは週末のマイナーSQくらいで材料難。小売を中心に6-8月が決算対象となる企業の業績発表が多く、個別重視の展開となりそうだ。安川電機(10日)やファーストリテイリング、セブン&アイ(11日)などが中でも注目される。今週は米国の長期金利上昇が株安を招いた。米雇用統計を通過することで過度な警戒は和らぐと予想するものの、円安(ドル高)が見込まれる局面では米長期金利の上昇を伴って株安が発生しやすいことが改めて意識されたため、上昇局面では戻り売りに押されやすいと考える。一方、決算銘柄を中心に商い活況が見込まれることは下支え要因となることから、指数は一進一退が続くと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。週前半はリスクオンの流れが継続し、日経平均は上値追いの展開。しかし、急ピッチの上昇が続いたため、次第に高値警戒感が強まって伸び悩み、円安が進んでもポジティブな反応が限定的となった。米国では良好な経済指標が相次いだものの、これを受けて金利上昇が加速するとの見方が強まったことから、高値更新が続いていたダウ平均が失速。楽観ムードが急速に冷え込み、節目の24000円を割り込んだ後も、下値模索が続いた。日経平均は週間では約336円の下落となり、週足では4週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では8月経常収支、9月景気ウォッチャー調査(10/9)、8月機械受注(10/10)、9月国内企業物価指数、9月都心オフィス空室率(10/11)、8月第3次産業活動指数、オプションSQ(10/12)などがある。  決算発表は、Jフロント、ライク、AFC-HD、ネクステージ、キリン堂HD、サムティ、Fブラザース、ダイユーリック、リソー教育、エコス、幸和製作、ヨンドシー、近鉄百、イズミ、フジ、ヤマザワ(10/9)、イオン、安川電、コメダ、スタジオアリス、イオン九州、ABCマート、ジーフット、パルGHD、U.S.M.H、アズ企画、ファンタジー、久光薬、OSG、ベル24HD、技研製、ローツェ、竹内製作、イオン北海、コジマ、サイゼリヤ、チヨダ、ライフコーポ、MV東海、MV西日本、イオンモール、AIT、プレナス、ミニストップ(10/10)、ファーストリテイ、7&I-HD、ローソン、ユニー・ファミマ、松屋、コシダカHD、いちご、ディップ、夢の街、ビックカメラ、SHIFT、創通、PRTIMES、ダイト、明光ネット、スター精、マニー、MrMaxHD、乃村工、CSP、モリト、アークス(10/11)、島忠、UUUM、高島屋、タマホーム、S Foods、キャンドゥ、ブロッコリー、大黒天、JINS、SFP、ニッケ、フィルカンパニ、コスモス薬品、クリレスHD、ほぼ日、サインポスト、Gunosy、古野電、コーナン商事、IDOM、リテールPT、リンガハット、USENNEXT、東宝、歌舞伎(10/12)などが予定している。  海外では、IMF・世銀年次総会(~10/14 インドネシア・バリ)(10/8)、米9月生産者物価指数(10/10)、G20財務大臣・中央銀行総裁会議(インドネシア・バリ)、米9月消費者物価指数、米9月財政収支(10/11)、中国9月貿易収支、米9月輸出入物価指数(10/12)などが注目される。  米企業決算では、シティグループ、JPモルガン・チェース、PNCフィナンシャル・サービシズ・グループ(10/12)などが発表を予定している。
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