明日の戦略-米中間選挙に振り回されて乱高下、あすは為替に要注目

2018/11/07(水) 16:29
 7日の日経平均は反落。序盤に急伸した後、失速して下げに転じるも、再び上げ幅を3桁に広げるなど、前場は米中間選挙をにらんで荒い動きが続いた。共和党が下院でも接戦と伝わったことで楽観ムードが強まる中、前引けは272円高の22420円と大幅上昇。ただ昼休みに入ると、上院は共和党、下院は民主党が勝利したと各メディアが報じた。大方の予想通りの結果となり、議会のねじれも警戒されたことで、後場はじりじりと上げ幅を縮める展開。それでも前場の余韻が残ってしばらくはプラスを保っていたが、終盤にかけては一気にしぼみ、下げに転じた。そこからあっという間に下げ幅を3桁に広げて一時22000円も割り込んだが、下では買いも入り、大引けは61円安の22085円と2桁の下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で3兆1100億円。業種別では情報・通信や不動産、その他製品などが上昇しており、石油・石炭、鉱業、保険などが下落している。上期決算が好感されたゼンショーHDが後場に入って大幅上昇。反面、宝HDは決算が失望材料となった格好で、一本調子の下げが続いた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり939/値下がり1095と売りが優勢。ファーストリテイリングが3%超の上昇と強い動き。決算や自己株取得が好感されたNTTが買いを集めた。同業の上方修正を手がかりに東海カーボンや日本カーボンなど黒鉛電極関連が大幅上昇。決算を受けて日本ユニシスやテレビ朝日が急伸し、リンクバルやフルヤ金属はストップ高まで買われた。一方、ダイキンが大幅安。上期は増益で計画上振れではあったが、株価の反応は厳しいものとなった。ノーリツ鋼機は上方修正発表も大幅下落。決算失望銘柄は叩き売られたものも多く、上期営業減益のシュッピンや、下方修正発表のりらいあ、グローブライドなどが急落した。上場2日目で初値をつけたアクセスGHDはその後は上下に振れたが、終値は初値をやや下回った。 「米中間選挙は市場予想通りの結果となり、日経平均は61円安。」結果だけ見れば、特段驚きはないが、場中の指数の値動きはかなり荒く、海外の選挙結果を取引時間中に消化することのリスクを改めて意識させられた。最終的には下落で終えたが、荒れたとはいっても22000円台は維持しており、選挙結果を受けた今晩の米国株が落ち着いた動きとなれば、あすは反動高も期待できる。ただ、今週は11月FOMCも控えているため、きょうのように楽観ムードが強まった際には、それを冷やす動きは出やすいだろう。きょうは指数が乱高下する中、ドル円も大きく動いており、113円台後半まで円安が進む場面があった。その後に失速はしたが、長めのチャートで見ると、10月初旬につけた114円台半ばを試しそうな雰囲気はある。11月FOMCで来月の米国の利上げ確度が高まれば、ドル高・円安が進む可能性は十分あるため、あすは為替動向を注視しておきたい。改めて円安方向に傾くようであれば大型株に妙味がある。一方、午後の失速から円高基調が続くようなら、足元で戻りを強めつつあるマザーズを中心に、新興市場の注目度が高まると予想する。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 37,068.35 -1011.35
TOPIX 2,626.32 -51.13
グロース250 638.74 -21.13
NYダウ 37,986.40 +211.02
ナスダック総合 15,282.01 -319.49
ドル/円 154.42 -0.22
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ