明日の戦略-プラスを確保も閑散ムード、ハイテク株の奮起に期待

2018/11/12(月) 16:50
 12日の日経平均は小幅反発。序盤は前週末の米国株の大幅安を嫌気して売りが先行。しかし、200円超下落したところで下げ止まると、急速に値を戻してプラス圏に浮上した。ただ、その後は方向感に乏しい地合いとなり、前場は小幅高。後場寄り直後には強含んだが、円安基調が続いた割には買いが続かず、再び下げに転じる場面もあった。強弱感が入り交じる中、終盤にかけても目立った動意は見られず、小幅なプラスで取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1500億円。業種別では繊維、機械、鉱業などが上昇している一方、石油・石炭、非鉄金属、海運などが下落している。決算や中期経営計画が好感されたジャパンベストレスキューが買いを集めてストップ高。反面、日本トムソンは上期は大幅営業増益となったものの、従来計画を若干下回ったことが失望を誘い、後場に入って大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり887/値下がり1142と売りが優勢。安川電機やファナックなどFA関連が売り一巡後に強い切り返しを見せて大幅上昇。上方修正を発表した三井不動産やダイフクが買いを集めた。決算を材料に大きく動いたものが多く、石原産業やデジハHDが急伸。熊谷組や物語コーポ、ブレインパッドはストップ高まで買われた。一方、米国動向を受けてハイテク株が敬遠される展開。村田製作所やTDK、ソニー、アドバンテストなど、直近で決算を受けて強く買われた銘柄が大きく売られた。太陽誘電は上方修正発表も市場の反応は売りとなり、11%超の大幅下落。大幅下方修正を発表した三井金属は急落した。青山商事やラウンドワンが決算を材料に叩き売られ、オロやシンクロ・フード、アジャイルメディアはストップ安まで売られた。  日経平均は安値は22046円までで、22000円が意識されて切り返した。しかし、200円超下げたところからプラス圏まで浮上した後、一段と上値を追うまでの勢いはなかった。東証1部の売買代金はなんとか2兆円は上回ったが、まだ決算発表をいくつか残している段階で、早くも閑散相場の様相を強めつつある。きょうは上方修正を発表した太陽誘電の大幅安が大きな注目を集めた。この銘柄は村田製作所が決算で急伸した際に、同様の恩恵が見込まれるという理由で連れ高していた。それだけに、決算が良くても出尽くしとなる展開は十分想定されたが、それにしても下げの度合い(11.1%安)は大きすぎる。村田製作所もきょうは大幅安となったが、まだ総じてリスクを警戒するムードが強いだけに、少し地合いが悪くなると、好決算を確認して買われた銘柄でも簡単に売られてしまう。ハイテク株に底売ち感が強まらないようだと、全体ももう一段下を試す可能性がある。ドル円は円安基調が続いているだけに、きょう値を崩したハイテク株に持ち直しの動きが見られるかに注目しておきたい。
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