明日の戦略-終始マイナス圏も売り圧力は限定的、下げの峠は越した可能性

2018/11/15(木) 16:58
 15日の日経平均は反落。米国株安を嫌気して3桁下落スタートから一気に下げ幅を200円超に広げたが、早い時間に売りは一服。その後は値を戻せば売られるものの、大きく下げれば買いが入るという動きが続いた。前引けは54円安(21791円)と小幅安。後場は改めて売り圧力が強まり下げ幅を3桁に広げたが、前場同様に下値はしっかり拾われて終盤にかけて持ち直し、42円安(21803円)と、前引けの水準を上回って取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆3400億円。業種別ではゴム製品やサービス、電気・ガスなどが上昇している一方、銀行、保険、パルプ・紙などが下落している。証券会社が目標株価を引き上げたリクルートHDが大幅上昇。反面、上期が最終減益となった第一生命HDが大きく売られた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1111/値下がり911と、指数はマイナスでも値上がりが値下がりを上回った。下方修正を発表したスルガ銀行が悪材料出尽くしで大幅上昇。立会外での自己株取得が続いている東芝が商いを伴って大幅高となった。増配を発表した日本マイクロニクスやセレスが急騰。決算が好感されたクラウドワークスやライドオンEX、メドピア、アドベンチャーはストップ高となった。一方、今期赤字転落見込みとなったRIZAPや、通期の見通しを取り下げたリミックス、大幅下方修正発表のイーレックスは、売りが殺到してストップ安比例配分。トリドールやネクシィーズ、オープンハウスが決算を受けて急落した。米国で金融株が軟調であったことから、三菱UFJや三井住友が大幅安。上方修正を発表した東海カーボンは買われる場面もあったが失速すると下げ幅を広げた。  きょうは個人投資家のセンチメント悪化で厳しい流れになるかと思われたが、日経平均の下げがきつかったのは序盤の数分。引けでは小幅安にとどまり、底堅さが印象づけられる1日となった。弱材料に対する耐性がつきつつあるのかもしれない。決算一巡で材料難とはなるが、悪い現実を直視する材料がなくなったこと、決算で叩き売られた銘柄も多いこと、決算が良かった銘柄が特段強く買われているわけではないことを鑑みると、下げの峠は越した可能性がある。原油価格には下げ止まりの兆しもうかがえる。米国もそろそろ年末商戦に意識が向かいやすく、地合いがガラッと変わるような展開も十分期待できる。物色ではきょうもストップ高やストップ安をつける銘柄が多く、個別の動きが非常に荒い。しばらくは大きく動いた銘柄を中心に、落ち着きどころをさぐる売買が活発となりそうだ。きょう証券会社のリポートで大幅高となったリクルートHDは、きのうは決算を受けて大きく下げていた。しっかり増益基調を維持しているような銘柄などに見直し買いが入ると予想する。
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