明日の戦略-ハイテク株が売り直されて大幅反落、当面はディフェンシブ優位の展開か

2018/11/20(火) 16:26
 20日の日経平均は大幅反落。米国株安を嫌気して軟調な展開。米アップルが大幅安となったことからハイテク株が売りに押された。また、カルロス・ゴーン氏の逮捕を受けて日産自動車や三菱自動車が大幅安となった。ただ、21500円は下値のメドとして意識され、安く寄った後は下げ渋り、前場ではいくらか値を戻した。一方、後場は値幅こそ前場の高安の範囲内におさまったものの、21600円より上は重く、安値圏でのもみ合いが続いた。終値(21583円)は始値(21582円)とほぼ近く、場中の方向感は乏しかった。東証1部の売買代金は概算で2兆3300億円。業種別では陸運、電気・ガス、卸売などが上昇している一方、その他製品、石油・石炭、鉱業などが下落している。証券会社が目標株価を引き上げた元気寿司が大幅高。反面、ユーロ円建てCBの発行が嫌気されたコスモエネルギーHDが急落している。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり734/値下がり1294と売りが優勢。証券会社が投資判断を引き上げたトヨタが上昇。米長期金利の低下を受けて、東京電力など電力株や、NTTやKDDIなど通信株に資金が向かった。不二製油Gは米企業の株式取得が好感されて大幅上昇。日経新聞の特集記事を手がかりに新報国製鉄が値を飛ばした。子会社が観光自治体と連携してキャッシュレス化を推進することを発表したジャストプランニングはストップ高まで買われた。一方、下落で注目を集めた日産自は5.5%安、三菱自は6.8%安とそろって大幅安。日産自は下値では買いが入ったものの、上に長いヒゲをつけて終えた。任天堂やソフトバンクG、ソニーなどが大きく売られ、JDIは10%を超える大幅下落。ヤーマンは上方修正を発表したものの株価は売りで反応した。月次の伸び悩みが嫌気されたレントラックスや、売り出しを発表した長谷川香料は急落した。  日経平均は前場では下げ渋ったものの、後場は再び売り圧力が強まり200円を超える下落。ニュースなどでは、日産自動車の急落が全体株安をもたらしたように取り上げるかもしれないが、日産自は陽線で終えており、「ゴーン・ショック」というほどの売られ方ではない。むしろ、ハイテク株が全般的に売り直されたことの方が気がかりな材料である。米アップルが下げればハイテクが売られるという構図が強まっているが、「iPhone」の新機種に関しては、機能に新奇性が乏しい割に価格は高く、年末商戦でも売り上げ拡大は期待しづらい。アップルの下げに対して世界のハイテク株が神経質に反応する状況が続くようだと、全体市場も不安定な状態が続く可能性が高い。そのような中、電力株や食品株などにしっかりとした動きが見られる。今回のゴーン氏逮捕を受けて、投資家はよりリスクに対して敏感になると想定される。当面の物色に関してはディフェンシブ色の強いところが好まれるだろう。
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