明日の戦略-朝高も買いは続かず3円安、あすは日銀にらみで波乱含み

2019/03/14(木) 16:42
 14日の日経平均は続落。米国株高を好感してスタートは大幅高。ただ、21500円台を回復した後は到達感が強まり、上値が重くなった。それでも前場は3桁上昇で終えたが、後場は静かに値を消す展開。前引けより水準を切り下げて始まると、21500円より上が重いとの見方から値下がりに転じる銘柄も増加した。TOPIXは後場早々にマイナス転換した後、前日終値近辺で踏ん張っていたが、終盤にかけて失速。日経平均の方はなんとかプラス圏では終われそうな雰囲気ではあったが、大引け間際に売りに押され、3円安(21287円)と下げに転じて終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1800億円。業種別では石油・石炭、パルプ・紙、水産・農林などが上昇している一方、化学や繊維、その他製品などが下落した。グループの苫小牧発電所の運転再開が好感されたサニックスが急騰。反面、直近で騰勢を強めていたオンコリスバイオファーマが手じまい売りに押され、商いを伴って大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり783/値下がり1257と売りが優勢。米ウーバーの自動運転部門への出資観測を材料にソフトバンクGに買いが入った。原油高を手がかりにコスモエネルギーや出光興産が大幅高。特許査定のリリースが好感されたカルナバイオサイエンスが急伸し、新製品への期待が高まった松尾電機がストップ高まで買われた。一方、信越化学やアドバンテストなど半導体関連が大きく売られる展開。中国の関連会社で不正行為が発覚した大和ハウスが大幅安となった。アルトナーは決算を受けて上昇スタートとなったものの、買いが続かず失速すると一転急落。石川製作所や細谷火工など防衛関連銘柄がたたき売られた。きょう新規上場のNCNは高い初値をつけたがその後は伸び悩んだ一方、2日目で初値をつけたサーバーワークスは公開価格比3.8倍の高値をつけた後も上値を伸ばした。  日経平均は3円安。前場で200円超上昇していただけにさえない動き。特にハイテク関連の動きが弱い。ここ最近は米国ではナスダック市場が強く、為替も円安基調。直近で大きく下げた場面もあったことを鑑みると、今のタイミングでは最も買いを集めるかと思われたが、むしろ弱い部類に入っている。3月の期末をにらんだ機関投資家の売りが上値を抑えているとの見方もあるが、そうだとすると今月はハイテク株の上昇が期待しづらく、全体もきょうのように外部要因で上げても、場中で売られる日が多くなる懸念がある。あすは日銀会合の結果発表が大きな注目材料となる。市場では景況感の悪化を受けて、追加緩和があるかもしれないとの見方も浮上している。ここで下手に動くと政府の消費増税実施の是非にも影響が及びかねないことを鑑みると、現状維持でやり過ごしそうではあるが、それでも荒れる展開は想定されるため、落ち着いた行動を心がけたい。ただ、これを通過すれば、この後は19日~20日のFOMCに焦点が移る。米国株も落ち着きを取り戻しつつある中、同イベントは株式市場にとってはポジティブに作用する可能性が高い。そのため、国内要因で下に振れるような場面があれば、押し目を丹念に拾っておきたい。
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マーケットデータ
日経平均 37,628.48 -831.60
TOPIX 2,663.53 -47.20
グロース250 640.12 -15.48
NYダウ 38,460.92 -42.77
ナスダック総合 15,712.75 +16.11
ドル/円 155.66 +0.35
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