明日の戦略-週末値で26週線を上回る、来週は経済指標に一喜一憂か

2019/03/22(金) 16:36
 22日の日経平均は続伸。米国株がハイテク株を中心に強い動きとなったことから、寄り付きは3桁上昇。しかし、そこから上が伸びず、失速すると下げに転じた。ハト派色の強いFOMCがドル売り材料となり、東京時間でも円高が進んだことから高値警戒感が強まった。ただ、前場はじり安基調が続いたものの、後場に入ると売り圧力が和らぎ持ち直す展開。14時以降は何度かプラス圏に浮上し、終値でもプラスを確保した。一方、前引けではプラスであったマザーズ指数は、バイオ株が手じまい売りに押されたこともあり、下げに転じた。東証1部の売買代金は概算で2兆6200億円。業種別では石油・石炭や鉱業、海運などが上昇した一方、医薬品や水産・農林、保険などが下落した。AppBankが後場ストップ高。米グーグルが打ち出した新ゲームサービスは、同社のビジネスと親和性が高いとの見方から買いを集めた。反面、グーグルが提供している「Googleマップ」に関して、自前のデータに変更したとのメディア報道が出てきたことから、同社にデータを提供していたゼンリンが急落している。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1392/値下がり653と買いが優勢。米ハイテク株の上昇を好感して、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連が大幅高。安川電機、ハーモニック、キーエンス、SMCなど、ロボット・FA関連が買いを集めた。トヨタとの新たな協業について、具体的な検討に着手すると発表したスズキが大幅上昇。証券会社のリポートを材料に和心が急伸した。一方、アルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験中止を発表したエーザイが売り殺到でストップ安比例配分。アステラスや田辺三菱など医薬品株、そーせい、オンコリス、窪田製薬などバイオ関連が警戒売りに押された。ソニーは証券会社の投資判断引き下げが嫌気されて5%近い下落。ミンカブやカオナビ、スマレジなど直近上場株が弱かった。  日経平均は後場は切り返して小幅高。26週線(21470円、22日時点、以下同じ)を上回って週を終えた。26週線は戻り局面で幾度となく壁となった水準であっただけに、きょう早々に下げに転じたことで、売りが加速する展開も警戒されたが、それは杞憂に終わった。今週は下向きであった13週線も上向きに転じており、週足チャートが好転している。先行き不透明感は依然強いが、それだけに、テクニカルでポジティブなサインが出てきたことは好感できる。来週、26週線より上を維持できるようであれば、その先は同水準がサポートとなり、下値が固くなると考える。3月FOMCを受けて為替には荒い動きも出てきただけに、ドル円の動向には注意を払っておきたい。米国株の強い動きが続き、それほど円高に振れないのであれば、ハイテク株や新興市場などグロース株が選好されると考える。一方、円高傾向が強まり、ドル円が110円を割り込むようなら、電力や不動産など、低金利が追い風となる銘柄へのシフトが強まりやすく、物色はディフェンシブに傾く可能性がある。 【来週の見通し】  おおむね堅調か。FOMCを受けて低金利環境がしばらく続くとの見方が改めて強まったことで、基本的には底堅い展開が続くと予想する。ただ、月末で日米とも経済指標が多く、これらをにらみながらの一喜一憂が続きそう。特に米国の指標が多いが、現状ではすべてが良好という展開は想定しづらい一方、悪い内容が続いた場合には政策期待が高まることから、悲観ムードも高まりづらい。日経平均に関しては、27日が権利落ち日で、この影響が180円程度見込まれる。新年度をにらんだ買いなども期待はできるが、見た目の水準が切り下がる要素があるという点も考慮すると、現状水準近辺でもみ合うような状態が続くと考える。 【今週を振り返る】  堅調となった。FOMCの結果公表前に東京市場では祝日を挟むというスケジュールであったため、週初から様子見姿勢が強まった。しかし、米国でハイテク主導の上昇が続いたことから下値は限定的。注目の3月のFOMCは、今年の利上げは見送りで、資産縮小は9月末で停止の見通しが示されるなど、かなりハト派色の強い内容となった。これを受けた米国市場では、20日は売りが優勢となったものの、21日は急反発。休場明けの日経平均はやや不安定な動きを見せたものの、米国株の上昇基調に変化なしとの見方から押し目では買いが入った。日経平均は週間では約176円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、1月全産業活動指数(3/25)、日銀金融政策決定会合の主な意見(3/14~15開催分)、2月企業サービス価格指数、配当・優待権利付き最終売買日(3/26)、2月完全失業率、2月有効求人倍率、3月都区部消費者物価指数、2月鉱工業生産指数、2月商業動態統計(3/29)などがある。  決算発表は、アークランド、大光(3/25)、ニイタカ、ヒマラヤ(3/27)、夢の街、ハピネス&D、ストライク、GameWith、NaITO、セキチュー、タキヒヨー(3/28)、トシンG、YE DIGIT、パレモ・HD、ハニーズHLD、スター・マイカ、クラウディアH、岡山製紙、日本エンタ、ERI HD、マルマエ、宝印刷、ヤマシタヘルケア、日プロセス、ジャステック(3/29)などが予定している。  海外では、独3月Ifo景況感指数、米2月シカゴ連銀活動指数(3/25)、米2月住宅着工件数、米2月建設許可件数、米1月FHFA住宅価格指数、米1月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米3月消費者信頼感指数(3/26)、米1月貿易収支、米10-12月期経常収支(3/27)、米10-12月期GDP確定値、米2月NAR仮契約住宅販売指数(3/28)、米2月個人所得、2月個人支出、米3月シカゴ購買部協会指数、米2月新築住宅販売(3/29)などが注目される。  米企業決算では、レッドハット(3/25)、IHS、マッコーミック・アンド・カンパニー(3/26)、レナー、ペイチェックス、PVHコープ(3/27)、アクセンチュア(3/28)、カーマックス(3/29)などが予定している。
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