明日の戦略-3桁下落でも高値引け、リスクオンムードが高まる展開に期待

2019/04/10(水) 16:53
 10日の日経平均は反落。米国株安を嫌気して寄り付きから大幅安。200円超下落して21500円台からのスタートとなった。しかし、即座に21600円台を回復するなど、寄った後は下げ渋る展開。幅広い銘柄が売られる中では戻りも緩慢ではあったが、静かに下値を切り上げた。後場はこう着感の強い時間帯が長かったが、特段売り崩すような動きも見られなかったことで、終盤にかけては下げ幅を縮小。3桁の下落とはなったものの、高値引けで終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆9600億円。業種別では全33業種が下落しており、騰落率上位は小売、海運、精密機器、下位は石油・石炭、鉱業、建設となった。今期の大幅増益計画や自己株取得が好感されたエスクローAJが大幅高。反面、前期の営業赤字が膨らむ見通しとなったベガコーポレーションが大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり485/値下がり1572と売りが優勢。日経新聞でノジマなど4陣営と支援の交渉に入ったと報じられたスルガ銀行が商いを伴って大幅高。ニトリHDやソフトバンクGが強い動きを見せた。イズミやミクロン精密は決算が好感されて急伸。ユーザー増加で新作ゲームへの期待が高まったエクストリームがストップ高。オンコリスや高見沢サイバ、多摩川HDなど、きのうストップ高まで買われた銘柄がきょうもストップ高となるなど、勢いのある銘柄には資金が殺到した。一方、ソニーやドコモが軟調。政府の売却が伝わった日本郵政が年初来安値を更新した。今期減益見通しの竹内製作所が売りに押され、下方修正を発表したオンリーやCSVベイエリアは大きく値を崩した。  日経平均は115円安(21687円)と3桁下落。ただ、安値を寄り付き直後につけて高値引けとなったことから、ローソク足では陽線を形成した。米欧の通商摩擦が警戒されるなど、リスクオフに傾いてもおかしくなさそうな局面ではあったが、下値の堅さを確認できたことはポジティブ。欧州ではECB理事会に加えて、英国のEU離脱への対応で臨時首脳会談が開催される。また、米国では3月開催のFOMC議事要旨が公表されるほか、3月消費者物価指数など注目の指標発表も予定されている。さらにあすの取引時間中には、中国で3月の消費者および生産者物価指数の発表も予定されている。そういった材料がありつつ、引け後には安川電機やファーストリテイリングの決算が控えているというスケジュールのため、あすは先物や為替、関連ニュースをにらみながら、荒い動きが出てくる展開も想定される。弱かった場合には、25日線(21466円)がサポートになるかが注目点となる。とはいえ、ECB、FRBともにハト派色を強める中、ECB理事会やFOMC議事要旨は基本的には株式市場にフレンドリーな影響を及ぼす可能性が高い。英国のEU離脱が長期延期の方向でまとまれば、一気にリスクオンムードが高まる展開も期待できる。その場合には、年初来高値21900円(取引時間中)を上回ることができるかに注目したい。
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