明日の戦略-後場高で長いトンネルを抜ける、ここからは負け組の逆襲に期待

2019/05/15(水) 15:54
 15日の日経平均は8日ぶり反発。米国株高を受けて小幅高で始まったものの、早々にマイナス転換。切り返してプラス圏に浮上した後も、軟調な中国指標を嫌気して再び下げに転じるなど、前場は不安定な動きが続いた。一方、後場はスタートからプラス圏を回復すると、ゆっくりと水準を切り上げる展開。値下がりから値上がりに転じる銘柄も増加し、終盤にかけては上げ幅を3桁に広げた。前場とは一転して落ち着いた地合いとなる中、引けにかけては下げ止まりを期待した買いが指数を押し上げ、ほぼ高値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆5700億円。業種別では繊維、不動産、電気機器などが上昇した一方、医薬品、鉄鋼、建設などが下落した。今期大幅増益計画のIMAGICA GROUPがストップ高。反面、1Q決算発表と同時に通期の見通しを引き下げたクラレは、後場マイナス転換から大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1359/値下がり716と買いが優勢。ソニーやソフトバンクG、アドバンテストなどが大幅上昇。自己株取得発表がポジティブサプライズとなった三菱地所が買いを集めた。ルネサスは上期の見通しが安心材料となって急伸。トーヨーカネツや大幸薬品が決算を受けて値を飛ばし、じげんやSECカーボン、アドベンチャーはストップ高まで買われた。一方、今期の見通しが営業赤字の武田薬品や、大幅減益の日産自動車が急落。JFEや太平洋セメントが決算を受けて大きく売られた。前期の着地が計画を大幅に下振れたトリドールは20%超の下落。海外での新株発行が嫌気されたサンバイオが売りに押された。  日経平均は8日ぶりに反発し、長いトンネルを抜けた。前引けでは15円安であったところから大引けでは121円高とそれなりに大きな上昇となっており、後場に強い動きが見られた点には地合いの変化がうかがえる。海外市場で米中貿易摩擦問題をそれほど悪材料視しなくなるようであれば、直近で割り負けた分、短期的には強い戻りが生じる展開も期待できる。テクニカル面では、すぐ上に控えた26週線(21204円、15日時点、以下同じ)や5日線(21238円)、75日線(21394円)などを早々に上回れるかが注目点となる。今回は決算集中期に株安に見舞われたため、業績好調銘柄はもちろん、失望決算となった銘柄にも見直し余地がある。特に急落した銘柄は、総悲観に傾く中で下にオーバーシュートしたものも少なくないとみられるだけに、押し目を拾うに良いタイミングと考える。
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