明日の戦略-伸び悩むも終日プラス圏を維持、内需ラリー継続で薬品株に妙味

2019/05/20(月) 16:36
 20日の日経平均は続伸。先週末の米国株は下落したが、寄り前に発表された1-3月期GDPが市場予想を大きく上回ったことがサプライズとなり上昇スタート。一気に180円高まで上げ幅を広げた。ただ、高安は開始5分でつけており、その後は上値が重くなった一方で、下値も固いという展開。後場に入ると一段とこう着感が強まり、21300円近辺でのもみ合いに終始した。東証1部の売買代金は概算で1兆9800億円と2兆円を割り込んだ。業種別では不動産、水産・農林、陸運などが上昇した一方、鉄鋼や電気機器、機械などが下落した。今期は増益の見通しで、自己株取得も発表しているMS&ADが後場に入って大幅上昇。反面、今期は大幅減益見通しで、減配も発表しているTYK(東京窯業)が急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり855/値下がり1203と日経平均は上昇したものの、売りが優勢。インドの選挙報道を手がかりにスズキが大幅上昇。直近で売り込まれていた武田が4%超の上昇となったほか、任天堂やNTT、SBなどにしっかりした動きが見られた。今期V字回復見通しの北越コーポや、分割を発表したプロレド、投資ファンドが株式を追加取得したレオパレス21が急伸。事業譲り受けやウシオ電機との共同研究など材料が多かったベルグアースが買いを集めた。一方、米中貿易摩擦激化懸念から景気敏感銘柄が総じて軟調、特に村田製作所や太陽誘電、安川電機などの弱さが目立った。決算が失望を誘った光陽社は急落。チヨダウーテは営業黒字転換見通しを受けて買いが先行したが、失速して一転大幅安となった。証券会社が投資判断を引き下げた日立ハイテクが値を崩し、新株予約権の発行が嫌気された日本一ソフトウェアは17%超の下落とたたき売られた。  日経平均は続伸。市場予想を上回った1-3月期GDPに対する好反応は一時的にとどまったが、ハイテクの一角が厳しい下げとなった割には値を保った。TOPIXは場中に何度か下げに転じているだけに、それに引っ張られることなく終日プラス圏を維持できたことは好感できる。5月に入ってからは厳しい局面が続いていたが、売り圧力は和らぎつつある印象。日足チャートでは前営業日同様、75日線(21416円、20日時点、以下同じ)が壁になった一方で、5日線(21174円)はサポートとなっている。5日線は下落から上向きに転じつつあり、同水準を意識しながら下値を切り上げていけるかが注目される。現状では米中貿易摩擦に関しては、いつ何が出てくるかわからない状況のため、警戒を完全に払しょくすることは難しい。そのため、物色では外需を敬遠する流れがもう少し続きそうだ。きょうは武田が安値圏で強い切り返しを見せているが、先月4月の業種別騰落では医薬品は33業種中30位と下位に属している。先月31位の不動産が足元で動きが良くなっていることを鑑みると、医薬品株の見直し余地は大きいと考える。
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