明日の戦略-プラスを確保も手詰まり感が強まる、週後半は波乱含み

2019/05/22(水) 16:43
 22日の日経平均は小幅反発。米国株高を受けて3桁上昇スタートとなったが、国内ハイテク株へのポジティブな影響が限られたことから、開始早々に高値をつけた後は伸び悩んだ。失速する場面では盛り返す動きも見られたが、後場に入ると一段と上値の重さが意識された。TOPIXが弱く、13時半辺りからはマイナス圏が定着。日経平均も幾度か下げに転じたが、終値では10円高の21283円とかろうじてプラスを確保した。一方、マザーズ指数は2.2%高と強い上昇となった。東証1部の売買代金は概算で2兆0900億円。業種別では水産・農林、鉱業、非鉄金属などが上昇した一方、陸運、空運、石油・石炭などが下落した。窪田製薬やオンコリスなどバイオの一角が後場に入って上げ幅拡大。反面、きのうまで9連騰と買いを集めていたOLCが利益確定売りに押されて大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり945/値下がり1097と売りが優勢。ハイテク株は買い先行から失速したものも多かったが、その中で太陽誘電は3%超の上昇。アンリツや信越化学などもしっかりした動きとなった。4月の訪日外客数が単月で過去最高を更新したことを手がかりに、資生堂やファンケル、コーセーなどに資金が向かった。全体が伸び悩む中で低位株が物色されており、材料のあったRISEやオンキヨーが急騰、さいか屋はストップ高まで買われた。一方、JR4社や私鉄など鉄道株が軒並み軟調。森永乳業や日本ハムなど食品株も大きく売られるものが散見された。キーエンスやキヤノンは上昇して始まったものの失速。インド子会社のマルチ・スズキが反競争的行為に関与した疑いがあると報じられたスズキは5%超下落した。ほか、代表取締役が株式を売却したグレイステクノロジーが急落した。  日経平均はプラスを確保して終えたが、手詰まり感の強い地合いが続いた。米ハイテク株の上昇を受けても国内ハイテク株にそこまで買いが入らなかった上に、地合いの変調が意識されて、それまで買われていた内需が利益確定売りに押された。内需買いの象徴と見られていたOLCの崩れ方を見ると、短期的には物色の方向性には変化が出てくる可能性がある。米中貿易摩擦への過度な懸念が和らぐ中でハイテク株の買いづらさが意識されたという点からは、バリュエーション面で割安感のある市況関連が注目される。また、きょう強い動きが見られたマザーズ銘柄なども資金の受け皿となりそうだ。逆に楽観的な見方が修正されるようなら物色は再び保守的となるだろうが、その場合は電力株や水産株など、直近でそれほど動意づいていないところが選好されると考える。指数(終値:21283円)は5日線(21234円、22日時点、以下同じ)と75日線(21433円)に挟まれた状態が4営業日続いている。どちらかブレークした方向に勢いがつく可能性があり、ここから週後半にかけては荒い動きが出てくる展開も想定しておきたい。
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