明日の戦略-令和に入って初の週間上昇、買いが続くかは米国株次第

2019/06/07(金) 16:31
 7日の日経平均は反発。米国株高を好感して上昇して始まると、その後はこう着感の強い地合いが続いた。前場は20800円台での小動き。後場も大きな変化はなかったが、落ち着いた動きが続いたことから20900円台に乗せる場面もあった。終値は110円高の20884円。取引終盤に高値をつけたが、終値では20900円を下回った。前引けでは下落していたマザーズ指数は後場は持ち直してプラスで終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆6300億円。米雇用統計発表前であったことやアジア市場では休場が多かったことから、商いは手控えられた。業種別では石油・石炭や機械、証券・商品先物などが上昇した一方、パルプ・紙、空運、電気・ガスなどが下落した。自己株取得を発表したクレディセゾンが後場急伸。半面、バルテスやNCN、日本ホスピスなど上場して日が浅い銘柄の一角が大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1499/値下がり560と買いが優勢。日立製作所が完全子会社化するとの観測が報じられた日立ハイテクノロジーズがストップ高比例配分。東京エレクトロンやディスコなどハイテク株が強く、アドバンテストはファンドの買い増しも材料に5%超上昇した。自己株取得を発表した大木ヘルスケアがストップ高。株式分割および優待拡充を発表したサニーサイドアップが急騰した。また、インパクトHDはインドでのコンビニ事業展開に関するリリースを手掛かりに商いの急増を伴って上昇した。一方、ZOZOやメルカリが軟調。日本経済新聞で段ボール需給の悪化が取り上げられたことから、レンゴーや日本製紙など製紙株が総じて売りに押された。ラウンドワンは月次が失望を誘って大幅安。ガンホーは新作ゲームに対する期待はく落で急落した。  日経平均は5週ぶりに反発。令和に入って初の週間上昇を記録した。ただ、週初には2月の安値を下回っている。中盤以降の上昇局面でも場中の取引は活況とはなっておらず、米国株の強い動きに引き上げてもらったという感が強い。その米国株に関して、ダウ平均は6日の上昇(終値:25720ドル)で25日線(25654ドル、6日時点)を上回ってきた。ここで勢いが緩まずしっかりした動きが続けば、チャートの好転が上昇を後押しする展開が期待できる。一方、25日線に跳ね返されるようなら戻り一服感が強まる。まだ日本株は悪材料に敏感なだけに、米国株の上昇なしに買いが続く展開は期待薄。ダウ平均がここで失速した場合、いったん撤退、もしくは売りで参入する戦略も頭の片隅に入れておきたい。 【来週の見通し】  方向感に欠ける展開か。今週、米国の利下げを意識して米国株に強い動きが見られたことはポジティブな材料で、翌週(18~19日)のFOMCを前に株高期待は高まりやすい。一方、米国と中国およびメキシコの貿易摩擦は警戒材料で、国内も景気悪化が警戒される中、楽観一辺倒となる展開も期待しづらい。日米中で経済指標の発表も多く、期待と警戒が交錯しながらの一進一退が続くと予想する。メジャーSQ週となるが、FOMCを先に控えて薄商いは継続する可能性が高く、投資家不在の中で先物主導で指数が大きく振れる可能性がある点には、一定の警戒を払っておきたい。 【今週を振り返る】  堅調となった。前半は米国株安や円高進行を受けてリスクオフムードが強まる展開。日経平均は節目の20500円を割り込み、20200円台まで下げる場面もあった。しかし、パウエルFRB議長の発言を受けて米国の利下げ期待が高まり、4日の米国市場でダウ平均が500ドル超上昇したことから、下げ止まりへの期待が高まった。日本株は円高に上値を抑えられはしたものの、その後も米国株の強い動きが続いたことから、週後半にかけては戻り基調を強めた。日経平均は週間では283円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、1-3月期GDP改定値、4月経常収支、5月景気ウォッチャー調査(6/10)、5月マネーストック、5月工作機械受注(6/11)、4月機械受注、5月企業物価指数(6/12)、4-6月期法人企業景気予測調査、4月第3次産業活動指数(6/13)、メジャーSQ(6/14)がなどがある。  決算発表は、学情、サトウ食品、コーセーアールイ、シーアールイー、ザッパラス、萩原工業、ピジョン、シルバーライフ(6/10)、アスカネット、グッドコムA、JPNミート、ネオジャパン、三井ハイテ、トーホー、きんえい、シーイーシー、丹青社(6/11)、太洋基礎、テンポスHD、神戸物産、Hamee、アセンテック、HEROZ、オーエムツー(6/12)、カイカ、ラクーンHD、Bガレージ、トーエル、稲葉製作、ラクスル、ウエスコHD、鎌倉新書、ヤーマン、小林産、正栄食、ドーム(6/13)、フルスピード、丸善CHI、モルフォ、エイチーム、エニグモ、フリービット、スマレジ、サンバイオ、オハラ、MSOL、プロレド、梅の花、3Dマトリックス、アルデプロ、ギフト(6/14)などが予定している。  海外では、中国5月貿易収支、米国がメキシコからの輸入品すべてに5%の追加関税(6/10)、米5月生産者物価、米ゲーム見本市「E3」(ロサンゼルス、~6/13)(6/11)、中国5月消費者物価、中国5月生産者物価、米5月消費者物価、米5月財政収支(6/12)、米5月輸出入物価指数(6/13)、中国5月固定資産投資、中国5月鉱工業生産、中国5月小売売上高、米5月小売売上高、米5月鉱工業生産、米4月企業在庫(6/14)などが注目される。
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