明日の戦略-大幅高でもみ合い上放れ、日米中銀イベントは株高の流れを強めるか

2019/06/19(水) 16:43
 19日の日経平均は大幅反発。ドラギECB総裁が追加の刺激策の可能性を示唆したことに加え、G20の開催に合わせて米中会談が実現するとの期待が高まったことから大幅高スタート。開始早々に上げ幅を300円超に広げ、その後も値を保った。ハイテク株や機械株などが大幅高となり、上昇を主導した。後場に入っても失速することなく、14時27分にきょうの高値(21358円)をつけるなど、引けまで高値圏を維持した。終値は361円高の21333円。東証1部の売買代金は概算で2兆0300億円。業種別では全業種が上昇しており、特に鉱業や証券・商品先物、石油・石炭が大幅上昇。一方、空運やサービス、ゴム製品などの上昇が限定的となった。本日マザーズ市場に新規上場したSansanが初値をつけた後も買いを集めてストップ高。売買代金は全市場で6位(ETFを除く)と華々しいデビューとなった。半面、Sansanに関心が移った格好で、ハウテレビやバルテスなど直近上場株の一角が大きく売られた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1910/値下がり187と買いが優勢。ソフトバンクGが4%超の上昇。株主総会での孫社長の発言が刺激材料となったもよう。米中関係改善期待から、東京エレクトロンや村田製作所など半導体株が大幅上昇。コマツなど建機や、キーエンス、安川電機などFA関連などにも買いが入った。自己株取得を発表した野村HDが急伸。米アップルが支援を検討していると報じられたJDIが値を飛ばした。一方、資本業務提携の解消を発表したスシローGHDと元気寿司がともに急落。優待見直しが失望を誘ったダイドーリミテッドが大幅安となった。今期大幅最終減益計画のビジョナリーHDは19%超の下落となり、終値は46円と50円を割り込んだ。  米中関係の改善期待やECBの追加緩和期待が浮上し、新規上場のSansanはストップ高と、市場のセンチメントが一気に改善した1日。あすはFOMCの結果やパウエルFRB議長の発言を受けた米国株や為替の動向が注目される。ただ、翌週に米中協議が開催される可能性が高まったことから、FOMCが買い材料となればリスクオンの様相が強まりやすく、失望材料となった場合でも、ネガティブなインパクトが緩和されると考える。国内では日銀金融政策決定会合の結果が発表される。こちらはそこまで注目度は高まっていないが、その分、何らかの政策変更があればサプライズの反応が大きく出やすい。日経平均はきょうの上昇で5日線や25日線を上に抜け、6月12日の戻り高値21259円も上回った。21000円近辺のもみ合いを上放れたようにも見えるだけに、21500円からその上をうかがう動きが見られるかに注目したい。物色では、きょう買いが入った景気敏感セクターを中心に、グロース株を見直す動きが強まると予想する。
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