明日の戦略-閑散相場でも高値引け、来週は決算を材料に個別物色が活況か

2019/07/05(金) 16:27
 5日の日経平均は続伸。米国株が休場で材料難の中、前日終値近辺からスタートした後は、方向感に欠ける展開が続いた。前場ではアジア株安や円高を嫌気して売りに押される場面があったが、前引けでは10円安と値を戻した。後場はやや買いが優勢。米雇用統計の発表を前に小動きという状況は続いたものの、プラス圏の時間帯が長く、終盤に買いが入って高値引けとなった。終値は43円高の21746円。東証1部の売買代金は概算で1兆5500億円。業種別では海運や小売、精密機器などが上昇した一方、鉱業や電気・ガス、パルプ・紙などが下落した。6月度の月次が良好であった力の源ホールディングスが後場上げ幅拡大で大幅高。半面、6月の直営既存店売上が前年同期比でマイナスとなったTSIホールディングスが大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1208/値下がり841と買いが優勢。証券会社が投資判断を引き上げた安川電機が強い動き。東京エレクトロンやアドバンテストなどハイテク株にもしっかりとした動きが見られた。決算が好感されたセブン&アイが大幅上昇。乃村工芸社やイオンモールも好決算を受けて大幅高となった。前期営業利益の大幅上振れを発表したヤマシタヘルスケアは急伸。JR東日本企画との連携を発表したソネットメディアはストップ高となった。一方、楽天が3%超の大幅下落。証券会社の投資判断引き下げが嫌気された。ソフトバンクGやリクルート、日立などが軟調。3Qの大幅減益が嫌気されたトーセが大幅安となった。直近で急伸した日本通信は一転して大きく売られる展開。きょうマザーズに新規上場したフィードフォースは買いが殺到して初値は持ち越しとなった。  日経平均は小幅高。きのう同様に閑散相場となったが、後場の動きが良かった点には、投資家の先行き警戒感が相当程度和らいだことがうかがえる。来週は決算を材料に個別重視の展開が見込まれるが、11日の安川電機は中でも注目される。同社は先週後半から急伸したが、今週は1日に大幅高となった後に大きく値を崩した。きょうは上昇したものの週足では陰線で、決算を前に警戒売りに押されたようにも見受けられる。決算対象期間(3-5月)では、5月に米中関係が大きく悪化しており、事業環境は良いとは言えない。今週の失速が先回りの売りで、決算が買い材料となるようであれば、同社だけでなく中国関連全般にも好影響が期待でき、ひいては外需銘柄を見直すきっかけにもなると考える。一方、決算が失望となるようだと、6月後半からの外需株の上昇は一時的な買い戻しであったとの見方が強まりやすく、外需を敬遠して内需を買うという動きが強まると考える。 【来週の見通し】  堅調か。米雇用統計を通過してやや材料難となるが、小売企業などの決算が多く出てくることから、マクロからミクロに視点が移る格好で個別物色が活況になると考える。ユニー・ファミマ(10日)や、安川電、ファストリ(11日)などの決算が中でも注目を集める。米国では主要3指数がそろって高値を更新するなど外部環境は悪くはないため、決算で良い内容が確認できた銘柄には素直に買いが入るであろうし、良くはなかった銘柄に関しても、押し目を拾う動きが出てくると思われる。円高は警戒材料ではあるものの、国内も選挙モードに突入しており全体的に売りが出しづらく、しっかりした動きが続くと予想する。 【今週を振り返る】  先週末の米中首脳会談で両国の歩み寄りが見られたことから、日経平均は週初から大幅高。ハイテク株に上昇一服感が出てきたことから、急伸後は伸び悩む動きも見られたが、ダウ平均が約9カ月ぶりに史上最高値を更新するなど、米国株の強い上昇が支えとなり、高値圏を維持した。ただ、世界的な長期金利の低下により、ドル安・円高が進んだことは、日本株の上値を抑えた。また、米国市場の休場があったことや、週末に米雇用統計を控えていたことなどから、商いは盛り上がりに欠ける状態が続いた。日経平均は週間では470円の上昇となり、週足では5週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、5月経常収支 、5月機械受注、6月景気ウォッチャー調査(7/8)、5月毎月勤労統計、6月工作機械受注(7/9)、6月企業物価指数(7/10)、6月都心オフィス空室率、5月第3次産業活動指数(7/11)、オプションSQ(7/12)などがある。  決算発表は、ドーン、クリエイトSDH、プロパスト、シグマ光機、ジュンテント(7/8)、アイケイ、竹内製作、ファーストコポ、アルバイトタイ、ハニーズHLD、シリコンスタシオ、リソー教育、MORESCO、OSG、ポプラ、ラピーヌ、井筒屋、イズミ、吉野家HD、ヤマザワ(7/9)、ユニー・ファミマ、サカタのタネ、タマホーム、コシダカHD、スタジオアリス、シーヴイエス、大黒天、シーズメン、トレファク、ANAP、キリン堂HD、スタジオアタオ、久光薬、東京個別、トーヨーアサノ、エヌピーシー、ローツェ、良品計画、ティムコ、コジマ、サイゼリヤ、トランザクショ、ヨンドシーHD、ライフコーポ、近鉄百、ナルミヤ、USENNEXT、昴、プレナス(7/10)、柿安本店、いちご、ディップ、鉄人化、ローソン、JINS、ビックカメラ、ライフフーズ、ほぼ日、SHIFT、チームスピリト、リックソフト、サーバーワクス、明光ネット、日本エンタ、三協立山、デザインワン、タケダ機、津田駒、東洋電、安川電、エヌリンクス、スリーエフ、イワキ、島忠、松屋、リベレステ、毎コムネット、インテリックス、歌舞伎、グランド、CSP、オオバ、カンセキ、ファーストリテイ(7/11)、ウエストHD、パソナG、S Foods、キャンドゥ、ブロッコリー、ヨシムラフード、北の達人、ハブ、ドトル日レス、ラクトJPN、フィルカンパニ、コスモス薬品、クリレスHD、住江織、農総研、串カツ田中、ロコンド、レナウン、メディアドゥ、テラスカイ、PRTIMES、UUUM、サインポスト、ヴィッツ、Sansan、ダイト、Gunosy、ベクトル、シンメンテHD、ロゼッタ、ベイカレント、識学、佐鳥電機、コーナン商事、インタアクション、チヨダ、リンガハット、MrMaxHD、SOU、松竹、東宝、文教堂HD、大庄(7/12)などが予定している。  海外では、米5月消費者信用残高(7/8)、中国6月消費者物価指数、中国6月生産者物価指数(7/10)、米6月消費者物価指数、米6月財政収支 (7/11)、中国6月貿易収支、AIIB年次総会(~7/13)、米6月生産者物価指数(7/12)などが注目される。
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