明日の戦略-プラスは確保もさえない展開、あすは一段と様子見姿勢が強まるか

2019/07/09(火) 16:30
 9日の日経平均は小幅反発。米国株は下落したものの、前日の大幅安の反動で上昇スタート。序盤には上げ幅を3桁に広げる場面もあった。しかし、ハイテクを中心に外需が弱く、買い一巡後には失速した。それでも前場ではプラス圏を維持したが、後場は水準を切り下げてマイナス圏からのスタート。地合いの悪化が警戒されて下げ幅を広げたが、21500円を割り込む手前では踏みとどまった。その後は前日終値近辺まで値を戻すと、引け間際にはまとまった買いが入ってプラスで終えた。終値は30円高の21565円。東証1部の売買代金は概算で1兆6600億円。業種別では石油・石炭や水産・農林、鉱業などが上昇した一方、海運や繊維、ガラス・土石などが下落した。AIカメラを活用したスポーツ映像配信事業の実証実験を開始すると発表した日宣がストップ高。半面、今期が大幅な減益計画となったファーストコーポレーションが後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり664/値下がり1399と売りが優勢。ファストリが堅調。KDDIや東京海上など内需の一角に買いが入った。ガソリンスタンドの安売り競争が一服したとの日経記事を材料にJXTGや出光興産が大幅上昇。証券会社の新規カバレッジが入ったJSBが急伸した。一方、太陽誘電や東京エレクトロン、スクリーンなどハイテク株が軒並み売られる展開。安川電機も軟調で、外需が円安を受けても弱かったことが全体の重しとなった。下方修正を発表したKG情報や、前期減益着地のシグマ光機が大幅安。ドーンは増益決算を受けて買いが先行したものの、失速してマイナス圏に沈むと下げ幅を広げた。今期の減益計画が嫌気されたプロパストは14%超の下落と大きく値を崩した。  日経平均は小幅高。ただ、ファストリの上昇が大きく寄与した格好となっており、TOPIXやマザーズ指数、ジャスダック平均は下落している。きのうはダラダラと下げが続いて200円超の下落となったが、きょうは上を試したにもかかわらず失速しており、両日とも印象は悪い。きょうの戻りが案外となったことから、あすはパウエルFRB議長の議会証言を前に、一段と様子見姿勢が強まる可能性が高い。21500円はサポートして意識されそうだが、今晩の米国株がよほど強い動きとならない限りは上値も重いだろう。テクニカル面では、今週に入ってからは5日線(21637円、9日時点)が壁となっており、早期に同水準を上回ることができるかに注目しておきたい。
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