明日の戦略-反発も閑散相場は継続、テクニカルの好転で上値は軽くなるか

2019/07/11(木) 16:35
 11日の日経平均は反発。終値は110円高の21643円。米国株はパウエルFRB議長の議会証言を好感して上昇。その割にはスタートは小幅高にとどまり、序盤は下げに転じる場面もあったが、じわじわと買いが入った。前場を75円高(21609円)で終えると、後場は下値不安が和らぎ、上げ幅を3桁に拡大。値幅はそれほど出なかったものの、閑散に売りなし相場で、ほぼ高値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆7800億円。業種別ではその他製品や鉱業、水産・農林などが上昇した一方、保険や輸送用機器、証券・商品先物などが下落した。また、東証REIT指数が2000p台に到達した。上方修正を発表したトレジャーファクトリーがストップ高。半面、昼休みに決算を発表したNo.1が前場の大幅高から一転急落。1Qの営業減益がネガティブサプライズとなった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1660/値下がり429と買いが優勢。日経平均構成銘柄に新規採用となったバンナムHDがストップ高比例配分。小型版「スイッチ」の発売決定を受けて任天堂が4%超の上昇となり、シライ電子など関連銘柄も物色された。原油高を受けて国際帝石や石油資源開発が大幅上昇。ローツェやタマホームが決算を受けて急伸した。きのう後場にTOBに絡んで急騰したユニゾHDは連日のストップ高となった。一方、日経平均採用候補と見られていたDMG森精機が急落。金融庁が行政処分を検討していると一部メディアで報じられたかんぽ生命が連日の大幅安となった。ユニーファミマは1Q大幅増益を受けて買いが先行したものの失速してマイナス転換。良品計画は1:10の株式分割を発表したものの、1Qの大幅減益が嫌気されて売りが優勢となった。3Q減収減益のエヌピーシーや、下方修正を発表したノーリツ、6月度の月次が伸び悩んだモノタロウは大きく値を崩した。  日経平均は110円高(21643円)と3桁の上昇。ただ、スタートは小幅高で米国株高をはやすような動きとはならず、後場は上げ幅は広げるものの、凪(なぎ)のような静かな地合いが続いた。商いも盛り上がらず、日本株が蚊帳の外に置かれているような印象を受ける。とはいえ、今日の上昇で200日線(21593円、11日時点、以下同じ)や5日線(21604円)を上回っており、テクニカル面からはこの先の値動きが軽くなる展開が期待できる。引け後に安川電機が1Q決算を発表しているが、前年同期比58%営業減益と見栄えは良くない。ただ、7月に入ってからは先回りで売られるような動きも見られており、悪材料出尽くし感が強まるかが注目される。きょうは東京時間で円高が進んだにもかかわらず、スクリーンやSUMCO、ディスコなどは大幅高となった。米中も休戦モードに突入したなか、弱い決算が売り材料とならなければ、外需全般の買い安心感が強まる。また、そういった流れとなれば、もう少し全体の商いも活況になると期待でき、グローバル市場で日本株を見直す流れも強まると考える。
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