明日の戦略-続伸も強いのは日経平均だけ、来週は上値の重い展開か

2019/07/12(金) 16:53
 12日の日経平均は続伸。終値は42円高の21685円。ダウ平均が大幅高で27000ドル台に到達した流れを受けて、上昇スタート。しかし、寄り付きを高値に上げ幅を縮めて下げに転じた。その後は方向感に乏しい展開。序盤で下を試して値を戻し、前場をを9円高(21653円)で終えると、後場はやや強含み、プラス圏での小動きが続いた。ただ、TOPIXは軟調で、マザーズ指数は2%超の下げとなるなど、全体的には三連休を前に上値の重さが強く意識された。東証1部の売買代金は概算で1兆7800億円。業種別では精密機器や小売、空運などが上昇した一方、鉱業やその他製品、サービスなどが下落した。今期の大幅増益計画が好感された東洋電機製造が大幅高。半面、リミックスポイントが後場に入ってストップ安まで売られた。子会社がハッキングを受けたと報じられており、ビットワンやセレスなど他の仮想通貨関連にも売りが広がった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり703/値下がり1356と売りが優勢。3Q決算が安心感のある内容となったファーストリテイリングが3%超の上昇。ソニーや資生堂、三菱商事などにしっかりした動きが見られた。上方修正を発表したディップやDDHDが大幅高。1Qが大幅増益となり自己株取得も発表したいちごが値を飛ばした。一方、1Q大幅減益の安川電機が大幅下落。SMCやファナックなどFA関連も警戒売りに押された。1Q大幅減益の松屋や証券会社が投資評価を引き下げたフェローテックが急落。きのう日経平均採用を材料にストップ高となったバンナムHDは一転売りが優勢となり、7%超の下落となった。新株予約権の発行が嫌気されたカルナバイオは商いを伴って値を崩し、ストップ安で終えた。  昨晩の米国市場ではダウ平均の強さが際立ったが、きょうの東京市場も日経平均だけが強かった。ただダウ平均の方は、初の27000ドル台乗せと勢いのある上昇であったが、日経平均はかろうじてプラスを保ったという程度で、迫力不足は否めない。きょうに関しては三連休前ということも買い手控え要因になったとは思われるが、今週はパウエルFRB議長の議会証言が米国株の買い材料となった後も、日本株を買い上がる動きはそれほど見られなかった。東証一部の売買代金はきょう12日まで9営業日連続で2兆円割れ。きょうもファストリや安川電機など注目度の高い銘柄が決算で大きく動き、かつオプションSQ日であったにもかかわらず、商いは盛り上がりに欠けた。薄商いでも上がるときは上がるが、今週は明らかにもたついており、ここからさらなる上昇のためには売買代金の増加が不可欠と考える。 【来週の見通し】  上値の重い展開か。東京市場は4日立ち合い。3-5月期と4-6月期の決算発表の狭間で個別の材料が少なくなるため、薄商いが続くと想定される。安川電機の決算反応の弱さを見ると、外需を先回りで買うような動きは期待しづらい。21日が参院選の投票日となるが、トランプ米大統領が参院選後には日米の通商交渉を前に進めたい意向を示していることもあり、日米貿易摩擦への警戒もちらつき始める。米国株は7月FOMCでの利下げ期待を背景に堅調が見込まれ、この点は下支え要因にはなる。ただし、為替はドル安(円高)圧力がかかりやすく、日本株は他市場と比較して米国株が上昇した場合のポジティブインパクトが限定的になると予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。前週末の米6月雇用統計が良好で米国の早期利下げ期待が後退したことから、週初の日経平均は200円を超える大幅下落。その後はパウエルFRB議長の議会証言を前に、様子見ムードの強い地合いが続いた。パウエル議長の証言内容はハト派色の強いものとなり、市場は7月FOMCでの利下げを強く意識した。これを受け、S&P500は3000ポイント台、ダウ平均は27000ドル台に乗せるなど、米国株は騰勢を強めた。しかし、日本株は米国株の強い上昇の割には上値が重く、閑散相場が続いた。日経平均は週間では60円の下落となったが、週初の発射台が低く、週足では6週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、6月訪日外客数(7/17)、6月貿易収支、6月首都圏マンション発売(7/18)、6月消費者物価指数、5月全産業活動指数(7/19)などがある。  決算発表は、ブロンコB、スーパーツール、日本国土、ファーマライズ、PCNET、買取王国、トウキョベース、TKP、バロック、サイバーS、アクロディア、ウォンテッドリ、マネフォワ-ド、市進HD、メタップス、テイツー、東京衡機、くろ工、ポエック(7/16)、DNAチップ(7/18)、ゲンキードラ、モバファク、アジュバン、日鋳造、アルインコ、エンプラス、モーニングスタ(7/19)などが予定している。  海外では、中国6月固定資産投資、中国6月鉱工業生産、中国6月小売売上高、中国4-6月期GDP、米7月NY連銀景気指数(7/15)、独7月ZEW景況指数、米6月小売売上高、米6月鉱工業生産、米5月企業在庫(7/16)、G7財務大臣・中央銀行総裁会議(~7/18 フランス)、米6月住宅着工件数、ベージュブック (7/17)、米7月フィラデルフィア連銀景気感指数、米6月景気先行指数 (7/18)などが注目される。  米企業決算では、シティグループ(7/15)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、ウェルズファーゴ(7/16)、アボット・ラボラトリーズ、USバンコープ、PNCフィナンシャル・サービシズ・グループ、ネットフリックス、イーベイ、バンク・オブ・アメリカ(7/17)、モルガン・スタンレー、フィリップモリス、ユナイテッド・ヘルス、ハネウェル、マイクロソフト(7/18)、アメリカン・エキスプレス、ブラックロック、ステート・ストリート(7/19)などが発表を予定している。
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