前場コメント No.16　川崎汽船、商船三井、日本郵船、カヤック、クラレなど

★10:29　 川崎汽船－ＪＰモルガンが目標株価引き上げ　自己資本拡充は進むが油断禁物
　川崎汽船<9107.T>が10日ぶり反発。ＪＰモルガン証券では、自己資本拡充は進むが油断禁物とコメント。投資判断「Underweight」を継続も、目標株価は1230円→1300円と引き上げた。
　構造改革により今期黒字転換の蓋然性は高まっている。劣後ローン調達や資産売却、構造改革等による自己資本拡充が進んでおり、ビジビリティも改善。一方、不安定な海運市況を踏まえれば、黒字/赤字の攻防は脱していないと判断。
　今20.3期経常利益予想は前年比542億円増の53億円（計画50億円、従来予想21億円）。コンテナやドライバルクで未達を予想していたが、Q1実績を踏まえ、計画達成の予想へ変更するとした。

★10:33　 商船三井－ＪＰモルガンが目標株価引き上げ　海運3社の中では安定感が定着しつつある
　商船三井<9104.T>が11日ぶり反発。ＪＰモルガン証券では、海運3社の中では安定感が定着しつつあると判断。投資判断「Overweight」を継続、目標株価を2930円→3210円と引き上げた。
　貿易摩擦など外部環境の不透明要因は依然残るが、業界ないし個社要因により、業績底打ちが見えてきた点は評価が可能。ONEの業績改善が進んでいるほか、SOｘ規制対応費用の価格転嫁交渉も進ちょくしている。同社固有の評価ポイントは、LNG船の利益が積み上がっていくほか、コンテナやドライバルクの構造改革を先行実施しており、今後の利益押し下げリスクが相対的に限定的な点とした。

★10:37　 日本郵船－ＪＰモルガンが目標株価引き上げ　全体業績は堅調もNCAがアキレス腱
　日本郵船<9101.T>が反発。ＪＰモルガン証券では、全体業績は堅調も、NCA（航空運送）がアキレス腱とコメント。投資判断「Overweight」を継続、目標株価を1940円→2000円と引き上げた。
　貿易摩擦など外部環境の不透明要因は依然残るが、業界ないし個社要因により、業績底打ちが見えてきた点は評価できる。ONEの業績改善が進んでいるほか、SOｘ規制対応費用の価格転嫁交渉も進ちょく。同社固有の評価ポイントは、ROE目標最低8％達成に向け、政策保有株式削減･保有不動産の見直しが進んでいる点。
　課題は航空運送を担うNCA。整備記録不備に伴う運航停止を受け、その後、2018年12月に8機体制に回復し、現在は機材稼動向上を進める最中。しかし、業界全体の荷動き減少影響を大きく受け、Q1時点で利益計画を下方修正していると注目。

★10:38　 カヤック－急落　上期営業赤字転落　新規ゲームタイトルのリリース延期に伴う開発費の増加響く
　カヤック<3904.T>が急落。同社は13日に、19.12期上期（1-6月）の連結営業損益は2億8000万円の赤字（前年同期は9500万円の黒字）だったと発表した。新規ゲームタイトルのリリース延期に伴う開発費の増加が響いた。

★10:40　 クラレ－ＳＢＩが目標株価引き下げ　エバールのシェア回復遅れなどが響く
　クラレ<3405.T>が反発。ＳＢＩ証券では、エバールのシェア回復遅れや光学フィルム在庫調整が響くと想定。投資判断「中立」を継続、目標株価は1300円→1270円と引き下げた。
　同社は1Q決算発表時に通期営業利益予想を減額修正（790億円→695億円）したが、2Q決算で670億円に引き下げた。ビニルアセテートの損益悪化（従来計画比25億円の減額）は、ポバール樹脂、光学用ポバールフィルム、PVBフィルムの販売数量減によるとみられる。上期の営業利益増減分析を見ると、光学用ポバールフィルムの生産トラブルなどによる操業度低下が-65億円と大きい。この生産トラブルは下期解消されるとみられ、これが上期から下期の会社計画営業増益（279億円→391億円、+112億円）の主因となる見込み。
　エバールは18年度に発生した火災事故で失ったシェア回復を見込んでいたとしたが、期初想定よりもシェアが回復していないことが下振れの背景とＳＢＩでは想定。光学用ポバールフィルムは1Qに生産ラインのトラブル、2Qに顧客の在庫調整があり、販売数量が会社計画を下回ったもよう。下期については、光学用ポバールフィルムの生産トラブルや在庫調整の影響は一巡するが、エバールのシェア回復遅れとイソプレンの中国向け需要減少要因などにより会社修正計画を下回るとみているとした。