IPO銘柄詳細

バルミューダ

コード 市場 業種 売買単位 注目度
6612 マザーズ 電気機器 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2020/11/26
ブックビルディング期間 2020/11/30 - 12/04
公開価格決定 2020/12/07
申込期間 2020/12/08 - 12/11
払込期日 2020/12/15
上場日 2020/12/16
価格情報
想定価格 1,780円
仮条件 1,780 - 1,930円
公開価格 1,930円
初値予想 2,600円
初値 3,150円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 寺尾 玄(上場時47歳4カ月)/1973年生
本店所在地 東京都武蔵野市
設立年 2003年
従業員数 109人 (2020/10/31現在)(平均41.1歳、年収755.6万円)、連結109人
事業内容 家電製品の企画・製造・販売
URL https://www.balmuda.com/jp/
株主数 4人 (目論見書より)
資本金 53,000,000円 (2020/11/11現在)
上場時発行済株数 7,735,000株(別に潜在株式550,000株)
公開株数 1,650,200株(公募1,235,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント215,200株)
調達資金使途 人件費・採用費用、広告宣伝費、新製品開発費用
連結会社 1社
シンジケート
公開株数1,435,000株(別に215,200株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 みずほ 1,248,600 87.01%
引受証券 SBI 86,100 6.00%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 28,700 2.00%
引受証券 丸三 21,500 1.50%
引受証券 エース 21,500 1.50%
引受証券 極東 14,300 1.00%
引受証券 岩井コスモ 14,300 1.00%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
寺尾玄 代表取締役社長 6,000,000 85.11%
Limotech Korea CO.,LTD. 取引先 250,000 3.55%
佐藤弘次 取締役 161,000 2.28%
(株)ミツバ 取引先 125,000 1.77%
(株)ベニヤ 特別利害関係者など 125,000 1.77%
佐藤雅史 取締役 49,500 0.70%
鞍田直子 従業員 27,500 0.39%
池田英智 従業員 20,500 0.29%
南修二 取締役 20,300 0.29%
進藤剛 従業員 19,800 0.28%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2020/12 連結3Q累計実績 8,097 919 891 603
2020/12 連結予想 12,331 1,274 1,206 826
2019/12 連結実績 10,849 1,071 1,047 632
2018/12 連結実績 11,191 1,660 1,634 39
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2020/12 連結予想 126.16 611.69 0.00
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(11/13)
日立
12.5倍 (連結予想)
東芝
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11.4倍 (連結予想)
象印
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電響社
9.8倍 (連結予想)
事業詳細
 高級家電のファブレスメーカー。空調やキッチンを中心とした家電製品を企画、デザイン、設計、開発、販売している。販売チャネルは家電量販店、インテリアショップ、百貨店などの実店舗のほか、自社オンラインショップやEC事業へも展開している。
 社名はaやoで終わる言葉の多いラテン語の響きを気に入った寺尾玄代表取締役社長が、聴感上強い破裂音を冒頭にし、バラクーダ(魚)やバラックなどの言葉を組み合わせて造った。

1.空調関連製品
 扇風機「GreenFan」シリーズは二重構造の羽根を持つことで自然界の風を再現する。2010年の発売から3万円台の価格ながら、累計50万台以上を販売する。そのほかタンクレス加湿器「Rain」、ジェットエンジン技術を応用した空気清浄機「BALMUDA The Pure」、脱臭可能なポータブルサーキュレーター「GreenFan C2」を展開している。

2.キッチン関連製品
 スチームトースター「BALMUDA The Toaster」は2万円を超える価格ながら、2015年の発売から累計で100万台以上を発売する。そのほか注ぎ心地を追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」、釜を二重にして蒸気の力で炊き上げる炊飯器「BALMUDA The Gohan」、オーブンレンジ「BALMUDA The Range」を展開している。

3.その他の製品
 手術灯の技術を基にした太陽光LED(発光ダイオード)デスクライト「BALMUDA The Light」、電池内蔵の携帯用LEDランタン「BALMUDA The Lantern」、ワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」、ホバー式掃除機「BALMUDA The Cleaner」を展開している。

 2019年12月期の連結売上高構成比は、空調関連43.2%、キッチン関連48.5%、その他8.3%。主な販売先は韓国代理店のLimotech Korea 22.8%、ミツバ10.8%。海外売上高比率は32.8%。
コメント
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〈ファーストインプレッション〉
 高級トースターはメディアでの紹介も多く、話題の家電ベンチャーの登場である。今期は消費増税の反動を受けるも、外出抑制の影響から特需が発生しており、思わぬ追い風に乗ったタイミングでの上場になる。社長の欲しい家電だけを開発する方針のためニッチに特化していることになるが、業績水準はIPO企業としてはそれなりに高く、人気を集めそうだ。ただ営業利益については今期でも18.12期の水準を超えられない予想。出し抜かれた大手もいつまでも手をこまねいているはずもなく、機関投資家がどこまで付いてくるのか読みにくい。中期的には今春から始めた米国進出がさらなる成長の鍵になりそうで、この動向を見ながら投資を判断することになるか。一方、知名度の高さのわりにベンチャーキャピタルが入っていない。ひとまず最初は個人だけで盛り上がって、高めのスタートになるのではないかと考える。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 1,780円
 吸収資金レンジ: 25.5億円 - 29.4億円(今期予想連結PER: 14.1倍)
 時価総額レンジ: 137.7億円

仮条件: 1,780円 - 1,930円
 吸収資金レンジ: 25.5億円 - 31.8億円(今期予想連結PER: 14.1倍 - 15.3倍)
 時価総額レンジ: 137.7億円 - 149.3億円

 仮条件は想定価格を下限に、上限は8.43%上回るレンジに設定された。

〈強材料〉
メディアで話題、コロナ追い風、仮条件上振れ、高利益率、VCなし、海外に開拓余地、地合い強い

〈弱材料〉
競争激しい、大手の追随あり、業績伸び悩み、IPOラッシュ、同日3社、ヒット商品に左右、成熟市場、人口減少、公開規模やや大きい、ピークアウト感あり

〈結論〉
 Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は2500~3000円(希薄化後PER:25.1~30.1倍)を想定する。
 高級トースターがメディアでも取り上げられ話題の企業。今期は消費増税駆け込みの反動も、巣ごもり消費の恩恵で業績が好調に推移する。ただ競合が追随し始めたなか次のヒット商品には恵まれていない。社長のセンス次第といった面も否めず、上値は限定的か。

 高級家電の新興ファブレスメーカー。累計で100万台以上を販売したスチームトースター「BALMUDA The Toaster」が代表的で、何度もTVなどで取り上げられた。ほかに電気ケトルや炊飯器などのキッチン製品、扇風機や空気清浄機、ヒーター、加湿器といった空調関連製品を中心に展開する。大手家電メーカーの製品が多機能になりがちなのに対し、機能を絞ってシンプルなデザインに仕上げている。

 寺尾玄社長の主導の下、「市場にないもの」「自分たちが世に出したいもの」を中心に開発しており、製品開発に当たって市場調査なども実施しない。前期からはTVCMを始めており、今期も広告宣伝費や販促費は増やす計画だが、売上高に対する比率は4%弱と低い。ヒット商品の扇風機やトースターはネットなどでの口コミで評判になり、それをメディアが取り上げた。ブランド力を築くといったゴールは一緒でも、有名人や知識人などを使った大規模なマーケティング活動により、それを実現しようとするMTGとは180度手法が異なるというわけだ。企画・デザイン・技術・ブランド力で競争優位を確立させる戦略により、営業利益率は家電メーカーとしては異例の2桁台に乗せる。

 ただ足元の業績は成熟感がかいま見える。19.12期はラインアップ充実により国内は堅調に推移するも韓国向け輸出が環境悪化に伴い減少し、前の期比3.1%の減収。営業利益は35.4%減の10.7億円になった。20.12期は巣ごもり需要により堅調に推移しており増収見通しだが、海外向けが引き続き苦戦しており1~9月の輸出額は前年同期を下回った。営業利益は前期比18.9%増の12.7億円を見込んでいるが、18.12期の16.6億円を2割以上下回る。
 ラインアップ充実もなかなかトースターに続くヒット商品に恵まれないというのが実情か。炊飯器は大手が10年以上前から高級カテゴリーを出しブームになっていたし、スピーカーは高級ブランドを築くメーカーが既にいる。注ぎ口を追求した電気ケトルについても、デザイン性は高いがよくある形の一つで斬新とまではいえない。まして沸かした湯に味の差が出るわけでもない。トースターについても競合も高級機を出し始めている。今のところまだ数は少なく値崩れはしていないが、今後増えればレッドオーシャン化は必至だろう。
 海外向けはまだまだ開拓余地がありそうで、同社も手薄な北米向けの強化に動いているが、何かと大味なことで知られるアングロサクソンの国民性にどこまで通じるものなのか。

 一方、仮条件は想定価格から8%超上振れして設定された。それほど強気なわけではないが、上限での希薄化後PERは19.4倍でセクターのなかでは高め。話題性の高い新興メーカーとあって、ポジティブにはみられているようだ。
 家電各社は上期の量販店休業などで今期は減益となっており、適正PERが見いだしにくいが、成熟業態でインバウンド消費も一服した今はそれほど高く評価されているわけではない。パナソニックや三菱電機は20倍台半ばと高めだが、これは今期がコロナ影響で減益のためで、昨年は10倍前後から10倍台前半で推移していた。同社が高い評価を受けていることがうかがえる。
 次のヒット商品が見えないなかでは強気一辺倒にはなりにくいが、株価の方向性は上だと解釈したい。公開規模がやや大きめなのにもかかわらず、売り出しは少なく上場後に社長の持ち分は7割以上と高いままなのも安心感がある。同日3社上場もあって需給妙味は乏しいが、初値は堅調に付くとみる。中国人訪日客による爆買いにわいていたときの象印のPERが20~30倍で推移していたことを参考に、心理的な節目の2500円を下地に3000円までを想定する。
公開価格分析
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公開価格: 1,930円
 吸収資金: 31.8億円(今期予想連結PER: 15.3倍)
 時価総額: 149.3億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1775.60円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。

 トースターでホームランを放ってしまったがゆえ、成長を再加速させる次のヒットに恵まれないなかでは実質20倍近いPERは割高ではないかとも個人的には思うが、メディアで話題になっている効果もあってかひとまず上限で決定。次がなくとも進出を始めた米国など、海外拡販への期待もある。とりあえずは次の心配よりも過去の延長線から成長イメージが市場では共有されているとみられる。大型2社とも重なる日程で需給環境はいいとはいえないが、引き続き堅調なスタートを見込みたい。
初値予想
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初値予想: 2,600円(今期予想連結PER: 20.6倍)
初値買い妙味: C

 堅調な初値を予想する。ヒット商品の高級トースターがメディアで取り上げられる話題の企業。巣ごもり消費でますます売れる状況になっており、注目は高い。半面、ホームランを放ってしまったがゆえ、次のヒット商品に恵まれない心配も。初値は中堅家電メーカーの過去の好調時のPERに心理的な節目を加味して2600円と予想する。

 高級家電のファブレスメーカー。スチームトースター「BALMUDA The Toaster」は2万円を超える価格ながら、2015年の発売から累計で100万台以上を販売する。2010年の発売から3万円台の価格ながら、累計50万台以上を販売する二重構造の羽根を持つ扇風機「GreenFan」シリーズ、ジェットエンジン技術を応用した空気清浄機「BALMUDA The Pure」、ホバー式掃除機「BALMUDA The Cleaner」なども展開する。
 大手家電メーカーの製品が多機能になりがちなのに対し、機能を絞ってシンプルなデザインに仕上げているのが特徴だ。寺尾玄社長の主導の下、「市場にないもの」「自分たちが世に出したいもの」を中心に開発しており、製品開発に当たっては市場調査なども実施しないという。ヒット商品は口コミがきっかけになることが多く、今でこそTVCMも実施するが、広告宣伝費や販促費は売上高の4%弱と少ない。20.12期は消費増税の反動があったものの、巣ごもり需要により国内向けが堅調に推移しており、営業利益は前期比18.9%増の12.7億円の見通しだ。

 高校中退、放浪の旅の末に帰国後は音楽活動を展開と、創業前の寺尾玄社長の生い立ちに注目が集まることも多く、メディア的な注目度は高い。既存の大手と一線を画した商品開発力に対する期待も高い。公開価格は希薄化後PER19.4倍で設定され、想定価格から8.4%上振れした。中堅メーカーや大手の来期予想が10倍強で並ぶなか、ひとまず市場は成長シナリオで見ていることがうかがえる。吸収金額は30億円超と荷もたれ感がありながら、買いが先行することになりそうだ。象印がインバウンドにわいた当時のPERを参考に、初値は心理的な節目をやや過ぎた2600円で予想する。

 半面、ホームランを放ってしまったがゆえ次のヒット商品に恵まれていないのが実情だろう。高級炊飯器は既に大手がそろって手掛ける分野でもあり、トースターについても追随が始まっている。今秋に出したホバー式掃除機はなかなか画期的な商品のようで、個人的に注目しているが、発売したばかりで未知数。価格はダイソン製並みだが、今のところランキング上位にはない。
 業績についても今期はたまたま追い風が吹いて増益といった状況で、19.12期は韓国向け輸出が経済環境の悪化に伴い減少し、35.4%減の営業減益だった。そもそも今期についても営業利益は18.12期の水準に届かない。今春から始めた米国進出がどうなるかにもよるが、業績推移からは既に成熟感がかいま見える。成長の道筋が見えにくいなか、市場の見方はメディアに引っ張られて強気過ぎるようにも思える。目先は3000円までならありそうではあるが、中朝的には慎重にみる必要がある。
初値分析
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初値: 3,150円(今期予想連結PER: 25.0倍) / 上昇率: 63.2% / 高値: 3,850円 / 安値: 3,110円 / 終値: 3,850円
出来高: 2,129,000株 / 対公開株数: 129.0% / 初値出来高: 1,059,300株 / 初値売買代金: 3,336,795,000円

 初値は公開価格の1.6倍に達した。本日上場した3社のなかでは最も高い騰落率、最も多い売買代金を集めた格好となった。
 3社の中では業績の先行きが危ぶまれる案件でもあったが、知名度と話題性の勝利といったところか。現在の主な買い手は初心者が多いゆえか、業績よりもイメージが先行しやすい傾向にある。既に業績は伸び悩みつつあるが、過去のマスコミが作り上げた成長イメージや話題性がまずは先行した形だといえる。。

 寄り付き後も勢いは続き、急騰後買い気配になり、ストップ高に張り付いた。後場は一度は寄ったものの6秒後を最後に大引けまで商いはなくなった。大引けの買い注文は成り行き合わせ75万8800株が残った。

 目先は買いが先行する形か。買いの勢いの前に売りは消えてしまっており、上値を試す展開に入っている。ひとまず市場はマスコミが作り上げたイメージに乗っている状態であり、しばらくはこのトレンドが続くだろう。
 ただし、次のヒット商品に恵まれず、大手の追随も始まったなか、競争環境における立場は「前門の虎、後門の狼」といった状態だ。ヒット商品に支えられてピークで上場した感さえあり、本来ならPERは10倍強もあればいいところだろう。次々と注目のIPOが後に続くなか、先に上場した銘柄からは資金が抜けやすくもあり、物色は短命に終わるものと考える。
IPOスケジュール
マーケットデータ
日経平均 37,068.35 -1011.35
TOPIX 2,626.32 -51.13
グロース250 638.74 -21.13
NYダウ 37,986.40 +211.02
ナスダック総合 15,282.01 -319.49
ドル/円 154.42 -0.22
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