明日の戦略-あすもバリュー物色の継続が目先の相場を支えるポイントに

2019/09/10(火) 17:15
 10日の東京株式市場で日経平均は6日続伸。ドル円が1ドル=107円台前半で堅調だったことで寄り付きから売り方の買い戻しが意識された。米国市場での金融株上昇の流れを引き継ぎ、メガバンクが軒並み3%を超える上昇率。ただ、買い一巡後は全般上値は重く、後場の値幅は50円未満の動きにとどまった。東証1部の売買代金は概算で2兆2700億円。業種別では騰落率上位に銀行や鉄鋼、証券、石油・石炭製品、下位は医薬品やサービス、不動産、精密機器となった。新興市場では、日経ジャスダックは続伸、マザーズ指数は反落で終えた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1357/値下がり729。値上がり率トップはノムラシステムコーポレーションでストップ高。国内広告代理店グループからの受注獲得が好感された。東京センチュリーは米航空機リース会社の完全子会社化が材料視されたほか、SBIの地銀連合構想で焦点と伝わったスルガ銀行がマドを空けて大幅高。ふくおかFGが銀行株高の流れに順応した。また、日本精工は外資系証券による格上げが買いを誘った。一方、値下がりでは、gumiが前日上昇の反動で下げたほか、ラクスルもリバウンド一巡で売り優勢。第一三共や神戸物産、CTCなどこれまで安定して上昇してきた銘柄群に売りが集中した。  今晩の米国市場を取りまく材料も乏しく、米主要指数は上値の重い地合いが続きそうだ。国内では寄り前に7-9月期法人企業景気予測調査(8:50)の発表が予定されているほか、きょうの引け後に発表された8月工作機械受注(速報値)に機械セクターが反応しそうだ。8月も外需・内需ともに減少し低迷が続いた。前年の水準が依然として高いため減少にサプライスはないが、足元のボトム感を織り込んで上昇を続けられるかが注目される。材料難で短期資金が流入する可能性が高く、寄り付きから弱気の反応を示す場合にはショートポジションを誘い、終日下げ幅を広げる展開もあるだろう。  一方、あすもバリュー物色の継続が目先の相場を支えるポイントになる。TOPIXの構成銘柄で連結PBRが相対的に低い方をバリュー指数、高い方をグロース指数というが、最近はバリューが大幅に出遅れている。つまり割安銘柄が上がっていない状が続いている。ただし、16年、17年を振り返ると、秋口から年末にむけては出遅れたバリューが強くなる局面が到来していた。 現状は依然として不安定で売買代金も低迷しているが、円安や通商問題を含め落ち着いてくれば、グロース優位でここまで広がった格差がこのままの状態であるはずはない。ここはPBRの割安感だけでなく、9月の中間期末を意識して高い配当も兼ね備えた大型株投資のチャンスだろう。
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