明日の戦略-FOMCを無難に消化、あすは米中交渉にらみも荒れ要素が満載

2019/12/12(木) 16:35
 12日の日経平均は3日ぶり反発。終値は32円高の23424円。12月のFOMCでは政策金利は据え置かれたが、利上げは当面ないとの見方から米国株が上昇した流れを受けて、買いが先行した。序盤では下げに転じる場面もあったが、円安進行を支えにプラス圏に再浮上。その後は節目の23500円を前に上値は重かったものの、23400円近辺でしっかりとした動きが続いた。一方、新興市場は軟調で、ジャスダック平均は15日ぶりに反落した。東証1部の売買代金は概算で1兆9900億円。業種別では金属製品、機械、パルプ・紙などが上昇した一方、水産・農林、その他製品、鉱業などが下落している。きのう新規上場して大商いとなったマクアケが連日で買いを集めてストップ高。半面、上期は最終赤字に転落した菊池製作所が急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり708/値下がり1342。SOX指数の上昇を受けて東京エレクトロンが4.9%高と大幅上昇。ディスコやアドバンテストなど半導体株が買いを集めた。SMCやファナックなど機械株も強い動き。1Qの好業績観測が報じられたベストワンドットコムが急伸し、業務提携を発表したセンコン物流はストップ高比例配分。ヤマダ電機が子会社するとの観測が報じられた大塚家具は、後場に売買停止を挟みストップ高まで買い進まれた。一方、低金利環境が長期化するとの見方が強まる中、みずほや三井住友など銀行株が軟調な展開。1Q営業減益のジャパンミートが大幅安。Hameeは上方修正を受けて上昇スタートとなったものの、失速して大きく値を崩した。下方修正発表のハウテレビはストップ安比例配分と売りが殺到した。マザーズに新規上場したメドレーは公開価格割れからのスタート。場中には公開価格を上回る場面もあったが、終値は初値を下回った。  日経平均は小幅な上昇。TOPIXや新興指数は弱かったが、利下げなしでサプライズにも乏しかったFOMCを無難に消化できたことは悪くない動きであった。半導体株の一角にはかなり強い動きも見られており、ハイテクは引き続き相場のけん引役になり得るとの期待を高めている。米国による対中関税引き上げの期限が15日に迫る中、東京市場は週末を迎える。関税発動は見送られるとの見方が強く、それを支えに今週の日本株は比較的底堅く推移しているが、いまだに情報は交錯している。決定事項が出てくれば、上でも下でもはっきりとした動きになるだろうが、何も出てこなければ、場中は不安定な地合いが続くと思われる。英国の総選挙の大勢が東京時間に判明するとみられており、この結果も相場をかく乱しやすい。今晩のECB理事会およびラガルド新総裁の会見や、あす寄り前に発表される日銀短観も注目材料で、おまけにメジャーSQ日と、荒れ要素には事欠かない。このところは節目の23500円を前に足踏みが続いているだけに、材料満載の中で同水準を明確に突破できるようなら、年末に向けては一段高が見込まれる。下に振れた場合は厳しいが、23000円台までで踏みとどまれば、以降の売り圧力は限定的と考える。
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