明日の戦略-2020年初の続伸で週間でも上昇、来週は楽観ムードが強まるか

2020/01/10(金) 16:25
 10日の日経平均は続伸。終値は110円高の23850円。米国株が主要3指数を更新した流れを受けて上昇スタート。開始早々に上げ幅を3桁に広げ、23900円台に到達した。その後は上値が重くなり、前引けにかけては失速した。しかし、後場に入ると盛り返し、緩やかながらも上昇が再開。終盤にかけて再び上げ幅を3桁に広げ、後場の高値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1600億円。業種別では鉱業や医薬品、海運などが上昇した一方、繊維や電気・ガス、水産・農林などが下落した。上方修正を発表したドーンがストップ高。反面、3Qの営業赤字幅が前年同期比で拡大したツインバード工業が後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり977/値下がり1076と、日経平均は上昇したものの値下がり銘柄は多かった。3Q大幅営業減益の安川電機が悪材料出尽くしとの見方から3%超の上昇、ファナックやSMCなどFA、ロボット関連に見直し買いが入った。米アップルの上昇を手掛かりにSCREENや太陽誘電などハイテク株が大幅高。3Q決算が好感されたセブン&アイが買いを集め、自己株取得を発表した島忠や、証券会社の新規カバレッジが入ったトプコンが急伸した。3Qが大幅増益となったニューテックはストップ高まで買われた。一方、1Q決算発表時に通期の見通しを引き下げたファーストリテイリングが大幅安。乃村工芸社や松屋も決算が失望材料となり大きく売られた。ワークマンは特段の材料が観測されない中、2%超の下落。直近で急伸していたソレキア、協和コンサルタンツ、フリージアマクロスなどが大きく値を崩した。  日経平均は大発会こそ451円安と大幅安での幕開けとなったが、週間では193円高と上昇で終えた。一時23000円を割り込んだものの、週末値では23850円と、24000円が射程圏に入っている。きょうは三連休前の週末で前引け時点では失速しており、後場は崩れてもおかしくはなかった。しかし、前引けから上げ幅を広げて終えており、基調の強さがうかがえる。日足の一目均衡表では、いったん雲の上から中に入ったものの、これを嫌って反転した格好となっており、週足チャートでも、13週線を割り込んだところで買いが入って切り返している。今週を総括すると、地政学リスクに振り回された週ということになるのだろうが、ヒヤッとさせられ下を見たことで、結果的に調整一巡感が強まり、日本株は息を吹き返したように見受けられる。 【来週の見通し】  堅調か。米中貿易協議に関して、15日に第1段階の合意文書への署名が行われる予定。第2段階の交渉がどうなるかなど不透明な点もあるが、基本的には米中の歩み寄りを好感して楽観ムードが強まると予想する。中東を巡るニュースには引き続き神経質となるだろうが、米国株の堅調が続いていることや、ドル円が円安方向に振れていることなどから、押し目があれば買いが入ると考える。ファーストリテイリングや安川電機の決算を消化したことで、市場は月後半から本格化する3月決算企業の3Q業績発表を意識し始める。観測報道や証券会社のリポート、各社の業績進ちょくなどを手掛かりに、個別の選別が進むだろう。乱高下した今週よりは市場も落ち着くと見込まれる中、好材料に対する反応が強めに出ることで、右肩上がりの基調が続くと予想する。 【今週を振り返る】  堅調となった。米国がイランを攻撃し、中東を巡る軍事的緊張が高まったことから、大発会の日経平均は大幅安。その後は関連報道に振らされる展開となり、大幅な上げと下げを繰り返した。ただ、米国・イランともに対立激化には否定的な姿勢を示したことや、米国株の史上最高値更新基調が続いたことなどから、週後半にかけては買いの勢いが強まった。物色では地政学リスクが高まり、原油や金が動意づいたことから、防衛関連株や商品先物株が連日で派手な動きを見せた。日経平均は週間では約193円の上昇。前週は大納会1日のみで陰線を形成したが、今週は4週ぶりに陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、11月経常収支、12月景気ウォッチャー調査(1/14)、12月マネーストック、12月工作機械受注、地域経済報告(さくらレポート)、第3回自動運転 EXPO(東京ビッグサイト、~1/17)(1/15)、11月機械受注、12月企業物価指数(1/16)、11月第3次産業活動指数(1/17)がある。  企業決算では、東宝、松竹、Sansan、マネフォワ-ド、クリエイトSDH、北の達人、TKP、トウキョベース、サーラ、タマホーム、日本国土、エスプール、キャンドゥ、パルGHD、ヨシムラフード、ハブ、DDHD、ドトル日レス、ラクトJPN、SFP、三栄建築、クリレスHD、霞ヶ関キャ、農総研、串カツ田中、バロック、メディアドゥ、サイバーS、UUUM、ウォンテッドリ、サインポスト、チームスピリト、リックソフト、サーバーワクス、ダイト、明光ネット、北興化、MORESCO、Gunosy、シンメンテHD、ロゼッタ、セラク、ベイカレント、RPA、古野電、anfac、識学、ユーピーアール、ライトオン、IDOM、SOU、ナルミヤ、モリト、プレナス、大庄(1/14)、不二越、ニッケ、シリコンスタシオ、川口化、川崎地質、アクトコール、マルカ、ノダ(1/15)、グランド(1/16)、津田駒、ネクスG、ティムコ、くろ工、協和コンサ(1/17)などが発表を予定している。  海外では、台湾総統選挙(1/11)、米12月財政収支(1/13)、米12月消費者物価指数(1/14)、米12月生産者物価指数、米1月NY連銀景気指数、ベージュブック(1/15)、米12月輸出入物価指数、米12月小売売上高、米1月フィラデルフィア連銀景気指数、米11月企業在庫、米1月NAHB住宅市場指数、米11月対米証券投資(1/16)、米12月住宅着工件数、米12月鉱工業生産指数、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高(1/17)などがある。  米企業決算では、JPモルガン・チェース、シティ・グループ、ウェルズファーゴ(1/14)、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、ユナイテッド・ヘルスグループ(1/15)などが発表を予定している。
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