明日の戦略-全面安でチャート形状も悪化、75日線が支えになるかが焦点に

2020/01/27(月) 16:03
 27日の日経平均は大幅反落。終値は483円安の23343円。先週末の米国株が新型肺炎を材料に下落し、週末にも被害拡大報道が多く出てきたことから大幅安スタート。寄り付きから400円近い下落となり、一気に下げ幅を500円超に広げた。安値は開始3分でつけ、その後の値動きは落ち着いたものの、若干戻した後には再びじり安基調が続くなど、終日さえない展開。引け間際にも下げ幅を500円超に広げる場面があり、ほぼ安値圏で取り引きを終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆1700億円。業種別では上昇は不動産のみで、食料品や電気・ガスなどディフェンシブセクターの下げが限定的。一方、空運や金属製品、非鉄金属などが大きく売られた。全面安の中、長期経営計画が好感された三菱地所が5%を超える大幅上昇。反面、一部メディアで武漢のユニクロ店舗の再開見通しが立っていないと報じられたファーストリテイリングが5%を超える下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり166/値下がり1961。新型肺炎拡大が需要増につながるとの思惑が働く銘柄が軒並み急騰しており、川本産業やアゼアス、日本エアーテックなどがストップ高。バグダッドの米大使館にロケット弾が打ち込まれたと伝わったことから、細谷火工など防衛関連にも資金が向かった。材料のあったところでは、iPS細胞の受託製造サービスを始めると報じられたリプロセルが急騰した。一方、インバウンド関連銘柄が軒並み安となっており、資生堂やコーセー、ラオックスなどが急落。3Q減益観測が報じられたOLCが7%超の下落となり、京成電鉄にも警戒売りが広がった。PCAは上方修正を発表したものの、株価は強い売り反応となりストップ安。東芝関連の架空取引の主導役と報じられたネットワンシステムは商いを集めてストップ安となった。  日経平均は大幅安。先週末の米国市場ではダウ平均は3桁下落(170ドル安、28989ドル)とはなったものの、一時300ドル超下げたところからは持ち直した。しかし、これを受けた日本株は値幅を伴った下げとなった後も、切り返す動きがほとんど見られなかった。朝方に円高が進んだことが警戒ムードをより一層強めたものと思われるが、中国市場が長期休場のため、いったん弱い動きが出てくると場中の反転要因がないという状況。追加の経済対策など何らかの刺激材料がなければ、他市場に比べて割り負ける地合いが続く可能性がある。  テクニカル面ではきょうの下げで25日線(23798円、27日時点、以下同じ)を大きく割り込んだ。5日線(23772円)が25日線を下回り、日足の一目均衡表では雲の中に入り込むなど、チャート形状は大きく悪化した。この先は75日線(23218円)がサポートになるかどうかが焦点となる。年初に値を崩した場面では75日線に接近したところで反転している。きょうの売られ方はセリングクライマックスに近いようにも思われるため、ここで切り返してくれば、今週中にきょうの下げ分を取り戻す展開も期待できる。一方、あっさり75日線を割り込んでしまうようだと、26週線(22610円)が控える22000円台半ば辺りまで調整色が強まる可能性がある。
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