明日の戦略-弱いGDPを受けて独歩安、「日本売り」回避には政策の後押しが必要か

2020/02/17(月) 16:14
 17日の日経平均は3日続落。終値は164円安の23523円。新型肺炎への警戒の高まりに加えて、寄り前に発表された10-12月期GDP速報値が著しく弱い結果となったことから、スタートは全面安。あっさり節目の23500円を割り込み、一気に下げ幅を300円超に広げた。ただ、早い時間に安値をつけて下げ渋ると、その後はアジア株が堅調となったことを受けて持ち直した。後場は値動きが落ち着き、23500円近辺でのもみ合いが長く続いた。東証1部の売買代金は概算で2兆0100億円。業種別では上昇はゴム製品と水産・農林の2業種のみで、その他製品が小幅な下落にとどまった。一方、空運や食料品、金属製品などが大きく売られた。今期の増益計画および増配見込みを発表したコスモ・バイオが急騰。半面、今期の大幅減益計画が嫌気されたインフォマートがストップ安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり294/値下がり1819。新型肺炎への警戒が改めて高まる中、ユニ・チャームが大幅上昇。川本産業や大幸薬品、重松製作所がストップ高となるなど、値上がり率上位には関連銘柄が多く並んだ。決算が好感されたスルガ銀行やギフティが大幅高。3Q黒字転換のフライトHDはストップ高比例配分と買いが殺到した。一方、レジャー需要が減退するとの見方から、OLCや東京ドーム、サンリオがなど大幅下落。三越伊勢丹やJフロントなど百貨店株も売りに押された。ラオックスは前期の大幅営業赤字や希望退職者募集の発表が嫌気されて8%超の下落。キリンHDや日機装、朝日インテックなどが決算を材料に大きく値を崩した。前期営業赤字のマイネットやメタップスはストップ安となった。  日経平均は前場では大きく下げたところから値を戻したが、後場はほぼフラットで、戻りは緩慢となった。弱いGDPの発表を受けて一時300円を超える下げとなったため、普段株式市場のことをあまり取り上げない民放のニュースでも株安がクローズアップされるだろう。アジア株は概ね堅調で、きょうは日本だけが弱かった。消費増税が失策であったとの見方も強まりやすく、政権与党の支持率低下も予想される。ここまで日本株は米国株の堅調に支えられながら底堅く推移してきたが、日本固有のネガティブな材料が株安を招いた点は注意を要する。足元では新型肺炎リスクも一段と大きくなっており、今月23日の天皇誕生日の一般参賀や、3月1日の東京マラソンの一般参加が取りやめになるとの報道も流れてきた。今晩の米国市場は休場で、あす改めての材料は乏しい。きょうは終値では23500円を上回ったが、75日線(23489円、17日時点)もこの近辺に位置しており、これらの水準が当面のサポートとなるかが注目される。「日本売り」を回避するには日本独自の刺激材料が必要で、政府もしくは日銀による何らかのリップサービスには期待したい局面。それがなければ、米国株や中国株の強い動きには乗り切れず、弱い動きには神経質な反応を示すという状況が続く可能性がある。
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