明日の戦略-円安を再考し見直し買い、上方修正した大型株から選好か

2020/02/21(金) 16:47
 21日の日経平均は反落。序盤は23500円台を回復する場面があったが、連休を前に新型肺炎の感染拡大を警戒した売りが優勢となった。前場中ごろから前日終値を挟んだ展開が続いていたが、終盤にかけて下げ幅が拡大し23400円割れで終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆900億円。業種別では全33業種中、9業種が上昇した。上昇率上位には保険、情報・通信、石油・石炭製品など、下落率ではパルプ・紙、水産・農林、サービスなどが目立った。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり946/値下がり1094。売買代金上位では、ソフトバンクGが3日続伸。外資系証券が投資判断を引き上げたSUMCOの上げが目立った。値上がり率上位では、企業のテレワークの広がり受けてブイキューブがストップ高、テモナには短期資金の値幅取りの動きが続いた。Zホールディングスや楽天が巣ごもりによるネット通販拡大期待から物色意欲が強まった。一方、値下がり率上位では、ミサワが前日急騰の反動安となったほか、サイボウズが高値圏で利食い優勢の流れが続いた。クリエイト・レストランツ・ホールディングスはウイルス感染広がりによる影響が懸念され、商いを伴って大幅安。また、大幸薬品やわかもと製薬がウイルス対策関連として人気化した反動で軟調に推移した。 【来週の見通し】  米国株や為替市場をにらみながらの展開か。ドル円が円安方向に水準を切り上げ、外需関連に注目が集まる。また、新型肺炎による悪影響が警戒されているインバウンド系の娯楽・レジャー、空運、陸運などの内需株に売りが続いているが、そろそろ自律反発狙いの買いが意識される公算が大きい。  昨年の同時期は現在と同じく急速に円安が進んだ。水準も今とほぼ同じである。当時は米10-12月期GDPがドル買い・円売りの勢いを強め、日本株もポジティブな反応を示した経緯がある。  現在は、新型肺炎の感染拡大への警戒感が上値を抑える要因になっているが、ピークアウトのムードが浸透すれば、株価も円安に順応する可能性が高い。直近の決算発表で上方修正し、最も安心感のあるトヨタ自動車を2日連続して買い上がるぐらいの力が残っている点を踏まえれば、円安環境を追い風に外需系の好業績で進捗率の高い、あるいは武田薬、ソニー、任天堂などトヨタ同様に上方修正した大型株から選好される公算が大きい。つまり、来週もマクロ系ヘッジファンドなどによるNTショート(日経平均売り・TOPIX買い)を意識する商いが相場全体に影響を与える展開が想定される。 【来週の予定】  主要な国内経済指標は、1月企業サービス価格指数(2/25)、1月失業率、1月有効求人倍率、1月商業動態統計、1月鉱工業生産指数(2/28)などがある。  企業決算では、パーク24(2/27)、アイ・ケイ・ケイ、ギグワークス、東和フード、大和コン、はてな、キタック、共和工業(2/28)などが発表を予定している。  一方、海外の経済指標やイベントは、G20財務相・中央銀行総裁会議(サウジアラビア、~2/23)(2/22)、独2月Ifo景況感指数(2/24)、米12月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米2月消費者信頼感指数(2/25)、米1月新築住宅販売(2/26)、米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注、米1月NAR仮契約住宅販売指数(2/27)、米1月個人消費支出・個人所得(2/28)などがある。  米企業決算では、HP(2/24)、ホームデポ、セールスフォース・ドットコム(2/25)、エル・ブランズ、マリオット・インターナショナル(2/26)、ベストバイ、ギャップ、オクシデンタル・ペトロリウム(2/27)などが発表を予定している。
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